内容説明
『忠臣蔵』として語り継がれてきた赤穂事件。吉良邸に討ち入った四十七士と、思いがけない人生を歩むことになった、親族や関係者のその後をたどる。今も残る討入りの舞台を巡り、日本人を魅了する事件の真実に迫る。
目次
浅野の主張、吉良の反論―刃傷のゆくえ
1 赤穂浪士の履歴書(大石内蔵助とその家族;他の赤穂浪士たち)
2 時は元禄十五年…(江戸城松の廊下の刃傷と赤穂城明け渡し;浪士たちの行方 ほか)
3 討入りの舞台を歩く(浅野内匠頭上屋敷跡;浅野土佐守下屋敷跡 ほか)
著者等紹介
谷口眞子[タニグチシンコ]
1960年、大阪府に生まれる。1982年、早稲田大学第一文学部卒業。2000年、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程史学(日本史)専攻満期退学。2005年、博士(文学)学位取得(早稲田大学)。現在、早稲田大学文学学術院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
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マカロニ マカロン
9
個人の感想です:B。先週土曜日(2021/12/11)に赤穂浪士討ち入り後の泉岳寺までの引き揚げルートを聖地巡礼してきた。それの参考本。この本では討ち入り前、当日、切腹までに次いで、残された子息たちの処分についても詳しく書かれている。遺児たちは事前に出家させているものも多いが、19人に「遠島」が命じられた。幼いものは親戚筋への「預け」だが、15歳以上になると伊豆大島への遠島が執行される。江戸市民の義士への同情は篤くその後恩赦に預かったものも多く、逆に吉良への反感は強かったようで、処分を受けてしまった2021/12/19
m
6
なぜか惹かれる赤穂浪士。主君の本懐を遂げるため、切腹覚悟で吉良邸に討ち入るその姿がかっこいい。吉良サイドからすればはた迷惑なことこの上ないが、吉良にも恨まれる理由があったはず。浅野内匠頭自身は優れた人物というイメージはないが、良き忠臣を多く持ち幸せだろう。分厚い本だと飽きてしまうのでこれくらいの情報量がちょうど良い。泉岳寺はすでに行ったので、今度は吉良邸に私も討ち入ってみようかな(笑)2016/07/26
マウンテンゴリラ
4
年末の風物詩ともなっている、お馴染みの忠臣蔵であるが、最近また、往年の名優達による映画を見て、あらためて興味をそそられた。本書を手に取ったのは、この事件が赤穂浪士たちの忠義心というドラマ性とは別に、討入りの発端となった内匠頭による刃傷事件の真相を知りたいという思いからであった。日本史の教科書などでは、歴史的出来事として扱われることはなかったと記憶するが、それは政治・経済・文化といった歴史の主要要素との関連が薄いためだろうか。しかし、その事と事件のインパクトの大きさはほぼ無関係とも言えるのだろう。→(2)2019/12/22
武隈
4
小説で赤穂浪士を読んでいたが、大石内蔵助をを中心とした赤穂浪士たちの家系や生い立ち、人間関係、またその遺児たちの行末などの解説が充実していて、改めて赤穂事件を興味深く思いました。2014/02/22
やま
3
薄手の本だが本格的な内容で、人名と家系を追うのに結構手間がかかる。しかし主題そのものは非常に明快。家系図なども豊富。2013/12/14