出版社内容情報
開国後、日本は先進国の工業製品に対抗し、輸出拡大の必要に迫られた。市場開拓のため、各国駐在領事は情報を積極的に収集し政府へ報告した。市場(マーケティング)調査(リサーチ)を怠った大国を尻目に、貿易拡大に成功した先人の努力と戦略を描く。
内容説明
開国後、日本は先進国の工業製品に対抗し、輸出拡大の必要に迫られた。市場開拓のため、各国駐在領事は情報を積極的に収集し政府へ報告した。市場調査を怠った大国を尻目に、貿易拡大に成功した先人の努力と戦略を描く。
目次
第1部 海外市場開拓をめぐる英・独・日の情報戦略(経済情報戦略の敗者と勝者―英独貿易摩擦について;開国日本は国際化に、どう対応したか)
第2部 明治前期の海外市場開拓と領事の情報活動(イギリス市場と「貿易事始め」;日本は香港市場をどのようにして開拓したか;中国市場における日本の情報戦略;アメリカ市場の開拓に成功した日本の情報戦略;むすび)
著者等紹介
角山榮[ツノヤマサカエ]
1921年大阪市に生まれる。1945年京都帝国大学経済学部卒業。和歌山大学助教授・教授・学長、奈良産業大学教授、堺市博物館長を歴任。2014年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スプリント
11
長い鎖国の果てに開国した日本。輸出強化のために各国の領事館の領事がどのように情報を収集し本国へ報告したのか、その努力と戦略について説明しています。2019/12/07
絜
1
初出1988年。19世紀に国際通商貿易競争が激しくなるにつれ通商情報の重要性が高くになり、しかも組織的な情報活動に依存度が高かったなか、欧米やアジアに駐在する日本領事がいかなる情報を収集できたかを描いている。領事報告を追いつつ明治期の欧米やアジア市場の進出過程を具体的に描いたことは興味深かった。特に中国市場における漢口領事町田実一と軍人出身の荒尾精の情報収集活動は印象的だった。ただ、情報戦略については、現地で活動する領事のほか、国内政府との関係をさらに知りたくなる。2024/11/21
バッシー
1
19世紀末のイギリス商業の状況が、平成以後の日本に被ってみえる。2023/12/15