内容説明
無国境、無国籍的な田村俊子の思想遍歴。なぜ晩年の俊子は、中国の女性問題に尽力することになったか?
目次
1 ドメスティック・イデオロギーへの挑戦―田村俊子にみるジェンダーの諸問題(女学生世界=ノ・マンズ・ランド―田村俊子の『あきらめ』について;一九一〇年代の日本における「女性同性愛」言説―「青鞜」同人を中心に;ドメスティック・イデオロギーからの脱出願望―田村俊子の“書く女”と“演じる女”について)
2 カナダのバンクーバーにおける思想的変遷―日系社会を描く作品群をめぐって(“渡米熱”“堕落女学生”と“写婚妻”―一八九〇年代後半の“渡米熱”と『大陸日報』にみる“写婚妻”像;ナショナル・アイデンティティとジェンダーの揺らぎ―佐藤俊子の日系二世を描く小説群にみる二重差別構造;佐藤俊子の人種問題への認識と社会主義的立場―「小さき歩み」三部作を軸として)
3 インターナショナル・フェミニストの連携―上海時代の佐藤(田村)俊子と中国女性問題(上海時代(一九四二‐四五)の佐藤(田村)俊子と中国女性作家・関露―中国語女性雑誌『女聲』をめぐって
日本占領下の上海における女性問題の変容―プロパガンダ誌の女性文学と『女聲』の読者欄をめぐって)
著者等紹介
呉佩珍[ゴハイチン]
1967年台湾生まれ。東呉大学日本語学系助教授を経て、現在国立政治大学台湾文学研究所教授。専門は、日本近代文学、日台比較文学。筑波大学地域研究研究科修士、シカゴ大学東アジア文明言語研究科修士。筑波大学文芸言語研究科博士課程修了、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。