出版社内容情報
日本神話はいくつもの伝承から成っている。それらはいつ、どこに生まれ、どのように組み込まれたのか。比較神話学・民俗学・歴史学の成果を踏まえ、「国生み」「黄泉国」「出雲」などのテーマを多面的に分析し真相に迫る。
内容説明
日本神話はいくつもの伝承から成っている。それらはいつ、どこに生まれ、どのように組み込まれたのか。比較神話学・民俗学・歴史学の成果を踏まえ、「国生み」「黄泉国」「出雲」などのテーマを多面的に分析し真相に迫る。
目次
世のはじめの神々
日・月二神とスサノヲの崇拝
高天原の神話
出雲神話の謎
二つのパンティオン
日向神話の世界
神武の東征
日本神話
著者等紹介
松前健[マツマエタケシ]
1922年生まれ。1943年國學院大学予科入学、まもなく応召。1946年復学。1956年國學院大学大学院修士課程修了。國學院大学、駒澤大学講師、平安博物館助教授・教授、天理大学教授、立命館大学教授、奈良大学教授を歴任。2002年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
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あんこ
6
日本神話をどう考えればよいか?比較神話学、民族学、歴史学など多角的に分析している。政治的意図で作られているものの、分解してみていけば、一つ一つのエピソードは土着の神だったり氏族の伝説だったり、個性豊かだ。「国生み」では、南方系海洋民族の神話がベースにあり、昨今のルーツを探るDNA研究結果も南方系民族が日本人の祖先にあるとしているので、頷ける。この本は40年以上も前に出版されたものの復刻版だ。最新の研究ではどうなっているのか気になるところである。2016/02/29
御座候。
3
電子図書館で借りて読んだ本となります。比較神話学の知見が取り入れられています。2025/04/07
ソノダケン
1
著者は日本神話の素朴さや明るさを称揚する。深刻な対立や闘争を描かない楽天性がすばらしいと。でもそれって田舎臭くて薄っぺらいだけじゃないのか。そう思うのは僕だけじゃないらしく、たとえばユダヤ・キリスト教からエヴァンゲリオンを、北欧神話からヴァルキリープロファイルやオーディンスフィアを創り出した様に、現代の日本人は「自分たちの神話」を鍛錬し直している様だ。2016/05/13
蕃茄(バンカ)
1
日本神話を南方系海洋民族の神話などと比較してこうしたところに元があるのではないかと考察していて面白い。日本神話における出雲の神の占める比重が大きいのは「出雲系の巫祝達の活動による「出雲信仰圏の拡大」にある」との事なので、同作者の『出雲神話』も読んでみたい。2016/03/19