内容説明
中世の潮流の中で遭遇するいくつもの歴史的分岐点。その勝者と敗者から何を学ぶのか?源義経・後醍醐天皇らの決断と評価。一揆・琉球王国・倭寇などの意味するものとは?多様なキーワードから中世社会を読み解く。
目次
プロローグ 中世の勝者・敗者から学ぶこと
1 政治の転換点―勝者と敗者の構図
2 身分・宗教・一揆―変容する中世社会の多様性
3 アジアのなかの日本―列島海域の勝者と敗者
4 国民文化の曙光―敗者の視座
エピローグ 中世の勝者・敗者からみえること
著者等紹介
鍛代敏雄[キタイトシオ]
1959年神奈川県に生まれる。1982年国学院大学文学部史学科卒業。1988年国学院大学大学院文学研究科日本史学専攻博士課程後期満期退学。2001年博士(歴史学)学位取得(国学院大学)。現在、国学院大学栃木短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keint
5
勝者と敗者から日本の中世を読み解こうとしているが、テーマの多様性に対して分量が追いついていない感じがする。 しかし、中世という時代を様々な視点で捉えているのは他の通史本よりもバランスが良い点でもある。2019/10/03
マウンテンゴリラ
3
日本史の中世をさまざまな視点から振り返っており、参考になった。しかしやはり、そこから見えてくるものは、権力争いに明け暮れる支配者たちの姿であった。確かによく言われるように、物事には裏と表がある。たとえば、悪があるから善の概念があり、争いがあるから、平和という概念があり、生の苦しみがあるから、宗教や芸術による癒しがある。と言える面もあるのだろう。例えば、源平の合戦や自然災害が多かった平安末期から鎌倉初期の時代に、その反動のように庶民に眼差しを向けた新仏教が起こったというのも、その例かもしれない。→(2)2022/02/24
wang
3
源平から織豊までの日本の様々な事物。庶民、宗教、一揆、検地、文学、文化、海賊、外交、琉球。時代背景がかなりわかる。あまりにも多くのことを詰め込んでいるので全部が概説になってしまっている。特に通史は上っ面をなぞっただけだし、同じ時期の歴史はそれこそあまたあるのだからもっとテーマを絞った内容にしてほしかった。2014/01/26
onepei
1
世阿弥が気の毒な生涯を送ったとはじめて知った。2014/01/08
SADIE
0
図書館で半分くらい読んだだけだが、散漫な印象を受けた。分量的には仕方ないのであろうが。 信長像とか、清盛の白河法皇御落胤説が有力とか、内容にも疑問に思う箇所があった。 文章も若干読みにくい印象。2022/07/03