内容説明
一八世紀末、小倉に現れた一艘の英国船。これを機に形づくられた日本の対外政策は、その後の寛政改革や天保改革でどのように展開したのか。世界の動向と国内の反応、内外双方の観点から「開国」目前の日本の姿に迫る。
目次
世界とつながる日本―プロローグ
1 太平洋に漂流する大黒屋光太夫
2 寛政改革と対外政策
3 松平信明政権と「中立国傭船の時代」
4 幕府対外政策の転換と世界戦争
5 太平洋からみた大御所時代の日本
6 開国前夜―薪水給与令のゆくえ
“開国”へ向かって―エピローグ
著者等紹介
横山伊徳[ヨコヤマヨシノリ]
1956年群馬県に生まれる。1981年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、東京大学史料編纂所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
8
寛政の改革期からペリー来航直前まで、江戸時代後期の国際関係について。ナポレオン戦争やアメリカ独立など刻々と変化する世界情勢の中で、政権ごとの微妙な外交スタンスの違いに触れながら、「打払い」から「開国」へと至る流れが描かれている。また長崎や対馬からの視点以外にも、蝦夷におけるロシアとアイヌ・松前藩の接触や北太平洋での捕鯨船団の活況など幕府の統制の及ばぬ交易が徐々に増えていく様子にも触れており、大変興味深かった。世界史の中で江戸時代後期を捉えられる一冊。2017/08/18
アメヲトコ
7
寛政期からペリー来航直前までの国際関係を軸に日本の政治・外交を描いた巻。著者は日蘭関係史が専門なだけに、遠いヨーロッパでのナポレオン戦争のアジアへの波及、毛皮貿易の展開や捕鯨船の進出など、その描写はきわめてダイナミックで目を啓かれます。情報量が濃いので(索引が欲しい)スラスラとは読めませんが、圧巻の内容です。一方図版は悲惨でこれだけは惜しい。2018/09/20
てり
2
田沼時代の次、普通は寛政の改革~天保の改革となるところを、徹頭徹尾対外関係・外交政策の面から幕政を見る。ペリー来航でいきなり幕末が始まり開国へ向かっていくようなイメージを持っていた自分にはとても新鮮で目を開かれるような内容。この時代の理解を深めるにいい本だと思う。2022/01/10
陽香
2
201303102017/03/02
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- 和書
- 感覚統合とその実践