内容説明
鎌倉・室町時代の政治や外交の舞台では、禅僧たちが活躍し、その流れは江戸時代までも続く。漢詩や食生活など今に残る文化の創造にも貢献し、京・鎌倉だけでなく地方にまで花開いた、強固な禅宗文化を読み解いた労作。
目次
第1章 奈良平安時代の禅宗の伝来(中国禅宗の興起;唐朝禅の摂取;宋朝期の流入)
第2章 鎌倉時代禅宗の興隆(兼修禅の勃興とその系譜;純粋禅の興隆とその系譜)
第3章 五山派の展開(叢林と林下;五山機構の確立;五山派の成立とその推移)
第4章 林下の形成と展開(曹洞教団の地方発展;大応派の擡頭;現住派の勃興と臨済宗の統合)
第5章 江戸時代禅宗の興起(明朝禅の伝来とその影響;曹洞宗の復興;臨済宗の進展;普化宗の跋扈)
著者等紹介
今枝愛真[イマエダアイシン]
1923年静岡県に生まれる。1947年東京帝国大学文学部国史学科卒業。元東京大学史料編纂所教授。興隆寺住持。2010年3月9日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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moonanddai
8
以前道元を読んで、井上ひさしの戯曲の中の「私は釈迦」という道元のセリフがあることに触れました。この本では、鎌倉時代のある来日僧は、建長寺に入りながら、本尊の地蔵菩薩を礼拝しなかったという話が紹介されています。「私は仏。菩薩は下」というこのようです。禅宗にはこのような意識があるのでしょう…か…。2022/07/14
ray
1
昭和41年初版、時代ごとの各派、政権との関係について細かに紹介されている。信仰と言える程の知識はないし、実践もしていないが、歴史を知るのはやはり面白い。末の世の末の末まで我が国は万の国にすぐれたる国東岩は蒙古降伏のためこのように詠じたが、今の日本を考えると、皮肉にきこえてならない。2014/06/27
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