内容説明
古代日本の北辺の天地には、蝦夷と呼ばれた人々も含め、平泉に至るまで多彩な人間の営みが展開されていた。その地に活躍し、歴史を創り出した人間の姿を、史実のなかで明らかにし、新たな古代東北史像を描き出す。
目次
遠く遥かな人々
阿倍比羅夫と齶田の恩荷
大野東人と和我計安塁
称徳天皇と道嶋嶋足
紀広純と伊治呰麻呂
安倍家麻呂と狄志良須
坂上田村麻呂と大墓阿〓(て)流為
文室綿麻呂と伊加古
藤原保則と深江弥加止
源頼義と安倍貞任
源頼義と清原家衡
平泉をめぐる人々
著者等紹介
新野直吉[ニイノナオヨシ]
1925年山形県に生まれる。1950年東北大学文学部国史学科卒業。秋田大学教授・同学長などを経て、秋田大学名誉教授、秋田県立博物館名誉館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いきもの
3
阿部比羅夫から始まり砦麻呂、田村麻呂、義家まで。中央と蝦夷の攻防、時に協力し敵対する二人を時代ごとにチョイスし、古代東北の情勢を描き出していく。独立国家でもなく、かといって征服される蛮族というわけでもない東北像。2023/12/04
Tom
2
原著は1978年刊。本書はあとがきを加筆し、2009年に復刊。10章立てで、各章二人の代表を取り上げ、それらの絡み合いから古代の東北史を見ていく。古代の東北といえば坂上田村麿!アテルイ!征服完了!という非常に大雑把な一般のイメージがあるが、朝廷の蝦夷政策は実に長期にわたり、かつ一筋縄ではいかないものだった。蝦夷は朝廷の支配に組み込まれながらも高い独立性を維持し、多くの乱を経ながら、奥州藤原氏の誕生へと繋がっていく。著者の鋭い人物評価が随所に表れ、それもまた興味深かった。2024/01/12
しぇりー
0
私にとって古代東北の人々とは坂上田村麻呂に始まり、安倍氏であり、清原氏、源氏、そして奥州藤原氏である。しかしこの本を読むことで彼らがどのようにして東北に誕生して来たのかを知ることができた。東北という土地が辺境とよばれ幾度となく朝敵とされてきたこと、いつの時代をみても朝廷はただ羨ましかっただけに見えきた。ないものねだりなだけな気がする。2014/11/20
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