内容説明
日本民俗学の父、柳田国男は、その後半生を新しい学問“民俗学”の開拓に捧げた。日本の名もなき人々の生活の中に歴史を発見しようとした柳田の民俗学の成果と限界を示しながら、今後の民俗学の方向性を展望する。
目次
1 柳田国男の生涯と民俗学
2 方法と歴史認識
3 家永続の願いと親子
4 働く女と神を祀る女
5 ハレとケ
『柳田国男の民俗学』を語る
著者等紹介
福田アジオ[フクタアジオ]
1941年三重県に生まれる。1971年東京教育大学大学院修士課程修了。武蔵大学教授・国立歴史民俗博物館教授・新潟大学教授などを経て、神奈川大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
2
柳田国男の手法による歴史の復元(とりわけ社会史の復元)の限界を論述し、未来に向けて新たな民俗学を提言している。かなり、こ難しい。2015/03/11
ホンドテン
1
図書館で。何処かで柳田民俗学の基本書としてオススメされていたので鶴見(2004)に続いて書架から抜く。生涯の解説と「妹(女)の力」「家(家族)の永続と婚姻」「食、着衣の日常、非日常」そして「木綿」、柳田が提示し論じた民俗学的課題を網羅的に紹介しつつ、その問題点を教えてくれる。読みやすいかどうかは別として・・・個人的には女性観の保守性かな。一国民俗学重視から地域性を無視した古層論に陥ってしまった30年代以降柳田に対して、福田(1997)の論証の準備をこの本で用意しているように感じる。2015/09/30