内容説明
常陸は歴史が変わろうとするとき、常に時代の魁となりながら、敗者の地位に甘んじてきた。将門の乱、尊攘運動、自由民権運動など、この地方ならではの特質を追求。また、水戸学や光彩を放つ水戸画壇に地域文化を発見。
目次
1 常陸と水戸街道を歩く
2 古代・中世の常陸
3 地域社会の形成
4 近現代の激流
5 水戸学と地方文化
著者等紹介
吉田俊純[ヨシダトシズミ]
1946年生れ。1974年東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、東京家政学院筑波女子大学国際学部教授
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感想・レビュー
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きさらぎ
3
これは多分私の知識が不足しているのだと思うが、地名・地形に関する知識と、歴史的な知識、その両方がある程度備わっていないと楽しめないのではないかと思った。常陸の水運とか、将門の乱、北畠親房と神皇正統記、戦国の佐竹氏から水戸藩の成立、幕末の混乱、そして近代の地租改正一揆や加波山事件などエピソードには事欠かないのだが、それを一つ一つ消化して常陸の通史として読み切るには知識不足だった。地方文化の章の、長島尉信の農政の話、立原翠軒と画壇の人的交流、横山大観の話などは面白かった。水戸学は少し消化不良かな、という印象。2019/11/08