出版社内容情報
与野党ともに内紛に明け暮れ、寝業師たちが暗躍する戦後政界。社会党は脱皮できずに迷走し、派閥抗争が激化した自民党内では「怨みつらみ」が渦巻く。なぜ西尾末広は首相の座を蹴り、何が田中角栄を「天才」たらしめたのか。宮沢喜一の首を絞めた、「らしくない」発言の真意とは。戦前とは一味違う「ことば」を読み解き、現代政治の内幕を探る。
内容説明
与野党とも内紛に明け暮れ、「怨みつらみ」が渦巻く戦後政界。なぜ西尾末広は首相の座を蹴り、何が田中角栄を天才たらしめたのか。宮沢喜一の首を絞めた「らしくない」発言とは。「ことば」が語る、現代政治の内幕。
目次
戦後政治の中の「ことば」―プロローグ
戦後リーダーたちの口跡(吉田茂の「密」なる空間;政治家・西尾末広の死ぬ時;社会党の歩めなかった道)
派閥政治の行き着くところ(石原慎太郎の見た「田中角栄」;中曽根康弘の語る「怨みつらみ」)
「政治改革」以後(宮沢喜一の大見得;細川護煕の深夜劇場;橋本龍太郎の自虐)
政治の「ことば」空間はどこへいくのか―エピローグ
著者等紹介
村瀬信一[ムラセシンイチ]
1954年、東京都に生まれる。現在、川村学園女子大学・清泉女子大学非常勤講師、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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穀雨
5
戦後の8人の政治家のことばを糸口に、自民党と社会党の二大政党のおおまかな流れを後づけることができる構成になっている。それ自体が事件といえるほどの影響を残した上巻所収の戦前とことばと比べると、インパクトに乏しいのは否めないが、それだけ政治の安定性や成熟度が増したということか。2024/12/13
あらい/にったのひと
1
下巻の方が面白かった感触。エピローグもよかった。こっち単体や2冊合わせてなら吉川弘文館の本って感じがする。やはり明治期の話だと、どうしても豪傑の時代とは言わないけど、今よりも個人の産まれや立場で…みたいな要素をより感じてしまうのだけど、現代でも派閥や誰の子分だったかというのが思いっきり影響するので、そんなに変わらないか、という気もしますね。名言・失言というより、言葉で動いた政局の本、という感じでした。面白くてよい本です。2024/05/05
siomin
0
戦後の政治家の発言集。戦後政治史はどのように動いたのかをまとめてあります。吉田茂は狭いなかならば生き生きとするので国会だと「○○○○○」と発言してしまうとは。自民党の派閥争いも醜いが,それ以上に社会党の路線対立もひどい。細川護熙あたりがもっとしっかりして小沢一郎あたりを退けていたらもっとマシだったのかなと思わざるを得ません。2024/06/28