出版社内容情報
初詣で運勢を占うおみくじ。日本の社寺の風俗として定着しているが、いつから存在し、誰がつくり、なぜ和歌や漢詩が書いてあるのかなど、謎は多い。そのルーツを追いながら、日本人がどのようにしておみくじと関わってきたのかを探り、長く人々を惹きつけてきた魅力に迫る。歴史を知り神仏のお告げと向き合い解釈すれば、おみくじはもっと面白い。
内容説明
おみくじはいつから存在し、誰がつくり、なぜ和歌や漢詩が書いてあるのか。謎の多いルーツを辿り、日本の社寺の風俗として定着した魅力に迫る。歴史を知り神仏のお告げと向き合い解釈すれば、おみくじはもっと面白い。
目次
おみくじの謎―プロローグ
おみくじのルーツ―神仏のお告げ(占いからおみくじへ;漢詩みくじの伝来と展開;神詠から歌占、和歌みくじへ)
和歌で占う―ひろがりと変化(江戸の歌占;和歌みくじの明治維新)
おみくじ今昔(扁額のおみくじ;おみくじは生きている;現代の漢詩みくじ;現代の和歌みくじ;多様化するおみくじ)
いつもそばに、おみくじ―エピローグ
著者等紹介
平野多恵[ヒラノタエ]
1973年、富山県に生まれる。現在、成蹊大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
60
【おみくじはいつから存在し、誰が作り、なぜ和歌や漢詩が書いてあるのか】おみくじを研究する文学部教授が、関連文献を収集・分析した書。謎多きルーツを辿り社寺の風俗として定着した魅力に迫る。現代の漢詩や和歌みくじなども紹介。巻末に詳細な参考文献。<おみくじは「御御籤」「御神籤」などと表記される。尊敬語の「御」がつくことからわかるように、おみくじはただの「くじ」ではなく、神仏の神聖な“お告げ”である。社寺でおみくじを「買う」という人も多いが、本来は神仏から“いただく”ものであり、意志を“うかがう”ものである>。⇒2024/04/03
アメヲトコ
8
令和6年元日刊。神社を参拝したときにたまに引くおみくじ、吉か凶かのところばかり読んでいて、そこに添えられている和歌のことはあまり気にも留めていませんでした。おみくじとは神様の言葉を聞くことであって、それは和歌や漢詩などのかたちで示されていたのですね。古代からの日本の占いの歴史、漢詩系と和歌系のおみくじの系譜など、大変勉強になりました。おみくじの作成には著者も含め研究者も関与することもあるようで、明治神宮のおみくじが神道史学者の宮地直一の作であったとは!2024/05/21
Humbaba
4
おみくじとは本来はもっと神との対話となるものであり、それをどう解釈するかも余地があった。しかし、そのようなものはわかりにくく、一般に受けないという問題もある。気軽にやるようなものではなかったためそれも問題とされなかったが、時代が変われば必要とされるものが変わる。そのため少しずつ大衆にわかりやすいものへと変わってきた。2024/08/19
とりもり
3
おみくじで一冊の本が書けるというのもなかなかだが、中身もとても面白かった。占いに端を発しているので、八卦と結びついた64種類(4の3乗)の籤が多かったとか知らなかった。中国伝来の漢詩みくじや和歌みくじなど、吉凶にとどまらない人生指南的な内容のものが多い(中には吉凶自体が書かれていないものも)というのも意識したことがなかった。持って帰ることを推奨するおみくじの存在も見たことない。吉凶だけ見てすぐ結んでおしまい、というのは本当の意味でおみくじを堪能したことにはならないので、今度じっくり読んでみよう。★★★★☆2024/11/23
minoru
3
現代では、おみくじは“吉凶”を気にしがちだ。しかし、それよりも神仏の“お告げ”を重視してきたのがおみくじの歴史ということがわかった。膨大な資料からおみくじと人々との関係が古代から現代まで詳述されている。おみくじには漢詩や和歌が記載されることが多いが、おみくじ用に調整されたものもあるという。明治以降からは今の形に近づいた印象だ。引くときはじっくり集中することが大事なので参考にしたい。2024/05/11
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