出版社内容情報
1914年8月、第一次世界大戦に日本はなぜ早々と加わったのか。列強の思惑や強気の日本外交を検証。対ドイツ青島攻囲戦の実相、南洋群島占領をめぐる日英豪の軋轢を明かす。戦後、日本は五大国の一員となるも日英同盟は終焉に向かう。その後の日本の進路に多大な影響を与えながら、従来あまり注目されてこなかった外交史・軍事史を読み解く。
内容説明
第一次世界大戦に日本はなぜ参戦したのか。同床異夢の日英同盟や日中の角逐、対独青島攻囲戦の実相、南洋群島占領を詳述する。その後の日本の進路に影響を与えながらも、注目されてこなかった参戦の歴史を読み解く。
目次
世界大戦の時代―プロローグ
帝国主義時代の東アジア
第一次世界大戦の勃発と青島
国際問題としての日本参戦
ドイツ領南洋群島占領と日英海軍の連携
青島の戦いの実相
勝利の遺産と教訓
日英同盟の終焉とその後の東アジア―エピローグ
著者等紹介
飯倉章[イイクラアキラ]
1956年、茨城県に生まれる。1992年、国際大学大学院国際関係学研究科修士課程修了。現在、城西国際大学国際人文学部教授、博士(学術、聖学院大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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馬咲
4
太平洋戦争の歴史に比べるとあまり語られない、第一次世界大戦への日本の参戦について、イギリスとの参戦交渉、青島でのドイツとの交戦過程に焦点を当てて考察。中国での権益維持の交渉材料を求めて積極参戦を志向し、日英同盟をその確たる根拠としたい日本と、逆に日本の中国での膨張を懸念し、軍事行動を制限したいイギリスとの外交は、ドイツ戦とは別のもう一つの「攻防」だったと言える。同盟関係を利用した相互牽制という外交のリアリズムを痛感するが、そうした「濃い」二国間関係の冷却が、その後の孤立化の起点となったと本書は捉えている。2024/03/13
takao
3
ふむ2024/05/11
Teo
1
10年前の日露戦争に勝利して列国に仲間入りをしようとしている日本が第一次世界大戦を奇貨として日英同盟を利用して中国のドイツ軍に戦い仕掛ける(と青島占領)迄の時系列の話。第一次世界大戦開始迄はまだ貴族武官の交友みたいなのがあったんだな。2023/08/11