出版社内容情報
中世に誰もが使用した器・かわらけ。製法、用途、デザインの流行などを読み解き、人びとの暮らしに寄り添ってきた姿を描きだす。
内容説明
中世に誰もが使用した器・かわらけ。大量に出土する遺物でも、それぞれに個性があり中世社会を雄弁に語る。製法、用途、デザインの流行などを読み解き、地域や身分を超え人びとの暮らしに寄り添ってきた姿を描きだす。
目次
中世びとと器物の距離―プロローグ
かわらけの肖像(中世考古学研究におけるかわらけ;君の名は―かわらけの名前 ほか)
かわらけをつくった人びと(奈良の土器座;京都のかわらけ生産 ほか)
かわらけの用途と機能(かわらけの使われ方;法会・神事のかわらけ ほか)
あこがれの都をうつす土器(京風かわらけ;模倣の諸相 ほか)
器物の価値と中世考古学―エピローグ
著者等紹介
中井淳史[ナカイアツシ]
1971年、三重県に生まれる。1999年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程退学。現在、兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科教授・兵庫県立コウノトリの郷公園ソシオ研究部長、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
59
以前、渋谷のマークシティの中で、六点の常識では有り得ないものが売っていた。「京風らぁめん」と名乗るそれは、和風だしでネギが上品に浮いているという、本来の「京都ラーメン」とは全く異なった不可思議なものであった。さて、このかわらけという土器、京都やその近郊の中世遺跡から山のように出土する。現在では、観光地でのかわらけ投げという遊びでしか見ないものである。実に当時でも安物である。ただ、京都で使ってる、その一点で地方へ伝播していったのだ。職人が地場技術で真似て作ったその粗末な土器から見える中世人の心性に触れよう。2022/01/11
Riko
2
図書館で借りた2022/02/10
takao
1
ふむ2022/05/23
きゃしー
1
古くは土器、そして現代も祭礼などで使われることのある「かわらけ」を通して庶民の歴史が見られる本でした。2022/04/21