内容説明
今も各地の古寺に残る、参詣者や武士らの「落書き」。彼らはその文字にいかなる思いを込め、なぜそこに書き記したのか。山形県の若松寺観音堂などの「落書き」から、社会と向き合う人々の心のありようを、歴史的に考える。
目次
落書きは歴史資料になりうるか―プロローグ
落書きへのまなざし―歴史資料としての落書き(落書きを歴史資料として活用する;落書きを調査する―若松寺観音堂の落書き調査;「かたみかたみ」「あらあらこいしや」―落書きにみられる定型表現)
かたみとなれや筆のあと―落書きされた歌を追って(歌を書き付ける、ということ;「かたみの歌」の発見―落書きで広まった歌;ひとり歩きする「かたみの歌」―「かたみの歌」の展開;石に刻んだ「筆のあと」―「かたみの歌」の変容)
落書きにこめられた「祈り」と「巡礼」―落書きと信仰(仏堂に落書きされた「巻数」;落書きは海を渡る;落書きはなぜ書かれたか―巡礼と落書き)
人はなぜ落書きを書くのか―エピローグ
著者等紹介
三上喜孝[ミカミヨシタカ]
1969年、東京都に生まれる。1992年、東京大学文学部卒業。1998年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。山形県立米沢女子短期大学講師、山形大学人文学部准教授を経て、国立歴史民俗博物館准教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件



