内容説明
エミシはアイヌか。エミシ、エビス、エゾ、アイヌ…、その呼称の意味するものは何か。「日本書紀」から「アイヌ文化振興法」まで、古今の記録・文書にアイヌ観の変遷をたどり、「自然との共生」というエコロジカルな生活を営むとされる“アイヌ”について考える。
目次
アイヌ史の現在―プロローグ
エミシ・エビス
蝦夷と粛慎、靺鞨
古代のエゾ
中世のエゾ
近世の蝦夷観
近代のアイヌ観
現在のアイヌ観―エピローグ
著者等紹介
児島恭子[コジマキョウコ]
1954年東京都に生まれる。1976年早稲田大学第一文学部卒業。1985年早稲田大学大学院文学研究科博士課程後期満期退学。2002年博士(文学)。現在、早稲田大学・昭和女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Teo
3
古代からエミシ、エゾがどう記述されてきたかをひととおり概観出来るのが収穫。聖徳太子との絡みがあるとは知らなかった。著者はエミシはエゾか?と言う問いかけをする立場に否定的だが、では上古に東北地方に住んでいた人々は誰だったのか?と言う問いかけはあってしかるべきだと思うし、それをエミシと呼んでいたとすればそれがエゾにどう繋がるかも知りたい所だろう。この本ではその連続性(不連続かもしれない)は不明だった。正月を挟んで読了に時間がかかったが、普通なら数日で読み終わると思う。2010/01/04
プリン
2
和人から見た「アイヌ」の表象を古代から現代に至るまで追いかけた著作。中世の文献でアイヌの形容として「夜叉」と出てきたので、思わず最近読んだ『オホーツクの古代史』の「夜叉国」を連想してしまいました。たぶん関連はないと思うんですが、あったらすごいなあ。2009/10/25
未来来
2
アイヌ文化ではなく、古代から現代に至るエミシ・エゾ・アイヌ観について述べられています。外側から見た蝦夷という言葉は何を示していたのか、それは現代言われるアイヌ民族の事であっただろうかという事について、文献を引用しながら歴史を追って行きます。現代もその連なりにあり、無縁ではありません。古語の振り仮名や注釈がほぼ無いので、読み慣れていないのでちょっとわかり難かったですが、ざっとでも読んでいくとちゃんと流れが掴めます。《大学図書館》2009/08/21
takao
1
ふむ2021/06/07
パパ
1
概説的な内容を期待したが、先行論文の整理に終始し、著者の独創部分が少ない印象。これからアイヌ史を研究する学生向けの内容。2011/06/07
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- 和書
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