歴史文化ライブラリー
観音浄土に船出した人びと―熊野と補陀落渡海

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642056502
  • NDC分類 186.8
  • Cコード C0320

内容説明

補陀落渡海とは何か。観音菩薩が住む南方の浄土=補陀落世界を目指し、現身を舟形の棺に納めて大海原に船出した人びとがいた。宣教師の記録や絵画史料、渡海船の構造から、「南方往生」と補陀落渡海の世界観を解き明かす。

目次

補陀落渡海―プロローグ
熊野への旅(蟻の熊野詣;平維盛の入水往生;熊野の補陀落渡海)
補陀落渡海した人びと(補陀洛山寺の渡海上人;智定坊の補陀落渡海;実勝坊の補陀落渡海;日秀上人の補陀落渡海;高海上人の補陀落渡海)
補陀落渡海の遺跡(四国の補陀落渡海;九州の補陀落渡海;日本海の補陀落渡海)
宣教師が見た補陀落渡海(外国文献の補陀落渡海;宣教師たちの書簡;キリスト教の伝来と補陀落渡海)
補陀落渡海の絵画(那智参詣曼荼羅;補陀落渡海図の絵解き;補陀落渡海船の構造)
青海原への憧憬―エピローグ

著者等紹介

根井浄[ネイキヨシ]
1949年、宮崎県に生まれる。1979年、大谷大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、龍谷大学文学部教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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アメヲトコ

8
2008年刊。南の海の彼方にあるという補陀落浄土へと身を捨てて向かう補陀落渡海についてまとめた一冊。熊野の陽光照りつける真っ青な海と、外から釘で打たれたという渡海船の暗闇との対照が印象的です。この本を読んでから改めて井上靖の「補陀落渡海記」を読むと、その取材の綿密さとそれを物語としてまとめ上げる力量に唸ります。2024/06/07

saba

2
「うみにおふねをうかばして♩いってみたいなよそのくに♩」補陀落渡海に興味を惹かれるのは、怖さとある種の美しさがあるからかなと思っていた。エピローグの、まさにこの唄の通りの行為なのだという一文に戦慄する。が、宗教的自殺であることもまた動かしようのない事実で、一種の狂躁があったことにも勿論言及されている。宣教師たちの目には異様に映っただろうが、でもなーキリスト教にもある意味「憧れの殉教」的なシンドロームあるからな~。沖縄に漂着した坊さまみたいに、実はどこかに流れ着いて新たな人生を送った人もいるのかもしれない…2022/07/26

Naoko Takemoto

1
実は斜め読みで終わらせた感。もっとエピソードがあればいいのに。学術的な説明に終始していて、つまらなかった。でも補陀落信仰というものの存在を知ることが出来て良かったです。自社巡りに張り合いもでます。2015/08/22

うがや

1
とかく自殺的な行為として語られがちな補陀落渡海、南方往生を宗教的行為として解説紹介2011/07/13

Junko Yamamoto

0
日本の古来からの海洋宗教の究極の姿か。熊野信仰も四国遍路ともつながっている。 2021/01/30

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