出版社内容情報
★大好評 3刷出来
内容説明
天正十年(一五八二)、天下統一を目前に織田信長が襲われた。明智光秀は単独犯なのか、果たして黒幕が存在したのか。本能寺の変にいたる過程を、史科を吟味して再現。様々な仮説を検証し独自の考察を加え、真相に迫る。
目次
謎に包まれた?本能寺の変―プロローグ
再現 本能寺の変
本能寺の変研究の流れ
関与・黒幕説の再検証
光秀の動機を探る
再検証を終えて―エピローグ
著者等紹介
谷口克広[タニグチカツヒロ]
1943年、北海道室蘭市に生まれる。1966年、横浜国立大学教育学部卒業。東京都内の中学校教諭を経て現在、戦国史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
342
タイトル通り本能寺の変の原因や理由を多角的に徹底検証しようとする試み。方法的には一次資料を中心に、残された資料を丹念に読み込むことで真相に迫ろうとするものであり実証史学、文献史学の上からはきわめて真っ当なものであると思われる。また、個々の事象について、可能な限り先行研究を参照しつつ、自己の論理を構築し結論に導いている。しかも、そのアプローチの過程を共有してゆくことで、読み物としても面白い。かつ、説得力も十分にありそうだ。なお、いたってオーソドックスな方法を採っているだけにセンセーショナルな結論ではない。 2022/08/05
金吾
22
○一次資料を読み解き、他の説の不十分な点を指摘しています。私は猜疑心の強い信長に対し複数で対応するのは困難だと感覚的に思っているとともに光秀のじ後の行動からも気配がないので黒幕説の脆弱性は理解しやすかったです。ただし他説に比し円城説に対する反論は弱いと思いました。2021/12/05
niwanoagata
16
谷口先生らしい内容で非常に面白かった 本能寺の変の研究史をまとめたもの。基本的には信頼できる史料を用いて、検証不十分な説を蹴っていく内容。同様の書として、藤本、鈴木氏の「信長は謀略で殺されたのか」、呉座氏の「陰謀の日本中世史」などがあるが、それらより少し柔らかい内容。ただ学者らしく、〜に根拠はあるのだろうかと厳しい指摘も散見される。 個人的にはもっと鋭く切ってもらったほうが良いのでは無いかと思ったが、、 もちろん鋭いほど反論が出やすいと思うが、研究とはむしろ反論を積み重ねるものなのだと思う。2020/04/16
鐵太郎
9
では明智光秀が、──木下藤吉郎と呼ばず羽柴秀吉というのなら彼の正式な名乗りは惟任日向守光秀(これとう・ひゅうがのかみ・みつひで)ですが──彼が信長に反逆した理由は何か。すべての俗論、信用できない説、暴論を切り捨てたあと、谷口氏はひとつの証拠を提示します。 ・・・なんだ、結局そう言うことだったのか... しかし、人間とはそう言うものかも知れない。ひとつの説ですが、楽しませて貰いました。なるほどね、こんな説もありか。2007/01/05
MUNEKAZ
6
2000年代前半までの本能寺の変に関する研究史をまとめ、検証していった一冊。出版されて日がたつ本なので、目新しい部分はなかったが、数ある黒幕・陰謀論を資料に基づいてばっさりと切り捨てていく内容はなかなか痛快。個人的には終章に書かれた「信長を極端に特別視してはいけない」という言葉が印象に残った。2016/07/27
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- 和書
- 血の歌