内容説明
日本人の心を魅了する『忠臣蔵』。討ち入り成功を前提に描かれた「勧善懲悪」の物語から赤穂事件を解き放つ、大石内蔵助、堀部安兵衛らの行動・思想をリアルタイムの感覚で捉え、等身大の赤穂浪士と事件の真相に迫る。
目次
歴史と物語―プロローグ
松の廊下での刃傷
赤穂城明け渡し
大石内蔵助と堀部安兵衛
内部分裂の危機と討ち入りの決定
盟約からの離脱と討ち入り参加者の名誉意識
吉良邸討ち入り
赤穂事件から「忠臣蔵」へ―エピローグ
著者等紹介
谷口眞子[タニグチシンコ]
1960年、大阪府に生まれる。1982年、早稲田大学第一文学部卒業。2000年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程史学(日本史)専攻満期退学。2005年、博士(文学)学位取得(早稲田大学)。早稲田大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
6
本件については喧嘩両成敗、幕府の裁定は方落ちとよく語られる。では幕府側はなぜ「喧嘩」と見做さなかったのか。浅野内匠頭が遺恨の詳細を語らなかった以上、遺恨あってやむなしだったかどうかわからないからだそうだ。そして、ちょっとした悪口ならばうまくかわすのが処世術みたいなのもあったらしい。その理屈はパワハラ側に有利だなとは思うが(いや江戸時代ですし)、新しい知見を得られてよかった。(でも人前で侮辱したら斬られてもしょうがないルールなんですね)2020/01/12
斎木
3
赤穂浪士っていうから結構色んな人のエピソード拾っていくのかと思ったけどそうでもありませんでした。堀部と大石とごく稀に片岡。その二人だったらもっと掘り下げた本がありそうだなぁと。赤穂浪士と振られているだけあって赤穂寄りに語られているわけではなかったのでそこは好きです。2016/04/18
wei xian tiang
2
著者の篤実な人格が窺えるような,ケレン味のない考証と分析。逐一,義士として定着している風説と照合して面白おかしく否定していけば商業的にはよかったかもしれないが,まあこうした商売気のない書きぶりには好感が持てるというもの。2018/02/17
あんこ
1
もうちょっと史実関係の整理が出来るのかと思ったけど、そういった「前提」は分かってるものとして書かれてるっぽい。義士達の行動の考察が主かな。2012/12/18
いちはじめ
1
狙いは悪くないと思うのだが、ちょっと中途半端。赤穂浪士/忠臣蔵関係の本の中では中の下くらいかな?2006/07/03
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