内容説明
迫りくる外敵、頻発する飢饉。戦国時代、領国を護り、領民を救うために大名がとった政策とは何か。民衆の立場から初めて戦国大名の危機管理の実態を解明。大名の視点からでは捉えきれなかった新しい戦国大名像を描く。
目次
新しい戦国大名像―プロローグ
代替わりの政治
税制改革と目安制
永禄の飢饉と構造改革
「御国」の論理と人改令
構造改革の行方―エピローグ
著者等紹介
黒田基樹[クロダモトキ]
1965年、東京都に生まれる。1989年、早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。駒沢大学・立教大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shimaosa
12
北条氏の先見の明というか。あんまり危機管理というよりは事後処理というか適切な対処。2014/04/15
珈琲好き
3
戦国大名の最終進化形態北条氏。KOEIシリーズの北条家スキルに御国総動員を取り入れて欲しい。/しかし黒田先生の歴史本ってどうしてこんなに分かりやすいんだろう。不思議だ。2018/08/29
まんむー
2
小田原城城主北条家の三代目北条氏康、四代目北条氏政の国政を中心に戦国時代の村と大名の関係が解説されています。農民の集まりである村。慢性的な飢饉や借金、戦などの理由により田畑を耕すことがでかなくなり村から逃げる。人が減ると田畑が放置され収穫が減り国として成り立たなくなる。そのため村の成り立ちを維持するために北条氏康は農家のためにいろいろな施策をする。戦のための要請も理由を添えて依頼する。村ってかなり独立した存在なんだと感じた。大名と農民の関係がとてもわかりやすかった。2025/06/12
ma3
1
後北条氏を題材として新たな戦国大名像を提示した意欲作。 支配する側としてのみの視点で当時の政策をみるのではなく、支配対象としていた民衆、主に「村」の置かれた状況からみてどういった意味合いがあったのかを丁寧に紐解いていました。 この時代の社会が非常に過酷なものであるという前提の中、戦国大名が一円支配を推し進めるために色々腐心し、支配するための体制や構造を改革していく変化がよく分かります。民衆を搾取する権力側が安穏としていたというイメージをいい意味で壊してくれた良書でした。2017/08/12
Taro.H
1
主に北条氏康が飢饉や領内への侵攻といった危機にどう対応したかという視点から、氏康が成した税制改革や目安制、徳政令、人改令といった施策を見る一冊。また、戦国大名を村との関係で規定し、村の当時の社会における役割や位置づけを検討。従来の戦国大名イケイケ観をぶち壊してくれる一冊。2012/11/04
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