内容説明
鎌倉時代に栄西がもたらしたと思われがちな禅宗だが、実は奈良時代に伝来していた。中国禅宗が日本化された歴史と、初祖=達磨が聖徳太子を助けて禅宗を伝えたという伝説から、日本禅宗のなりたちと特質に鋭く迫る。
目次
中国禅宗の流れ―プロローグ
日本仏教と禅宗の出会い
栄西は禅僧か天台僧か
栄西を脅かすライバルたち
栄西の弟子とその門流
道元僧団の構成メンバー
日本禅宗の性格―エピローグ
著者等紹介
中尾良信[ナカオリョウシン]
1952年兵庫県に生まれる。1980年駒沢大学大学院仏教学専攻博士後期課程満期退学。花園大学教授。曹洞宗清久寺(兵庫県)住職
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感想・レビュー
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マサトク
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ようやく、と言いたくなるのは、わりと学術的な観点からの細かい指摘が多いからではある。某師が某師に会ったのが何年という説と何年という説があってどちらが正しいと思われて云々、は、まあ、興味ない人には興味ない部分ではあろう。ただ、いわゆる一般的な鎌倉期に栄西師が禅を日本に導入したのが日本における禅の嚆矢である、というような理解ではなく、天台仏教の中にも禅があり、達磨宗という形で成立していた、また(日本)臨済宗・曹洞宗ともに初期は密禅併修であったというのは新鮮な指摘ではあった。そのあたりを知れたのは良かった。2020/10/18
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