歴史文化ライブラリー<br> 日本の中世寺院―忘れられた自由都市

歴史文化ライブラリー
日本の中世寺院―忘れられた自由都市

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642054867
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0320

出版社内容情報

乱世とよばれる中世社会には、朝廷・幕府政権から独立し五百年にわたって繁栄した巨大な寺院が存在した。巨大寺院は、公家・武家のように政治的結束を持たず、僧侶・商人・職人などの人びとが集合する経済都市であった。ここは境内都市というべき自由空間で、一大産業センターを形成していた。この境内都市を通して、新しい中世社会像を構築する。〈主な目次〉巨大寺社と中世社会―プロローグ/中世の寺社(中世社会とは/中世テクノポリス/富を支えるには/寺院の武力/魔術からの解放―三味一体技術の一画やぶる―)/境内都市の風景と政治システム(境内都市とは―門内・門前都市―/寺社境内都市の風景/都市周縁と都市問題/寺院の身分構成とその比重/大衆社会の様相)/寺社境内都市と中世社会(墓盗人と高僧―俗よりも世俗的な世俗―/公家・武家を操作する―王法仏法相依―/第2次の都市化と遊行僧/無権力都市と多元的全体社会)/境内都市の行方―エピローグ/あとがき

内容説明

中世社会には、朝廷・幕府から独立した巨大寺院が存在した。僧侶・商人・職人などの人びとが集合する一大産業センターで、境内都市というべき自由空間を構成していた。境内都市を通して、新しい中世社会像を構築する。

目次

中世の寺社(中世寺社とは;中世テクノポリス;富を支えるには ほか)
境内都市の風景と政治システム(境内都市とは―門内・門前都市;寺社境内都市の風景;都市周縁と都市問題 ほか)
寺社境内都市群と中世社会(墓盗人と高僧―俗よりも世俗的な世俗;公家・武家を操作する―王法仏法相依;第二次の都市化と遊行僧 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

25
日本における中世寺院について解説した一冊。律令制の崩壊により国による保護体制の崩壊から自立体制を備えながら寺院を中心に自治エリアが形成されていくという説明は分かりやすい。また、紛争事項の解決として裁判や強制するための武力も整備されていくので領民たちから頼りにされていたことも推測できます。寺院の人的階層についても書かれており、教義を研鑽する学僧、実務を担う禅衆、堂衆などと呼ばれる人々、そして定住せずに各地を巡回する聖・上人の3つに分けられるそうです。まだよく分からないところがあるので関連書籍を読みたいです。2023/03/26

アメヲトコ

6
宗教に一切ふれない中世寺院論。副題にある「自由都市」は堺のようなイメージではなく、アナーキーな都市という理解。著者の提唱する「境内都市」という概念で既成の宗教史・都市史を滅多斬りにする論法は、さすがに乱暴ではと思うところもなきにしもあらずですが、読み物としては刺激的で面白い。2018/12/28

まのん

2
「中世寺院はテクノポリスであり、強大な軍事力をほこる軍産学複合体である。宗教とは無縁の行人が中核である。」「寺社境内都市は経済都市であり、その意味で唯一の現代都市の先駆的存在なのである。」一般向けに書き直したこともあって、語り口が軽快。知識をつけて再読したい。2014/02/01

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