内容説明
豊かな自然に育まれた山のむらの暮らしは、いま過疎化の波に洗われ、崩れ去る危機に直面している。日本各地の山村を歩く著者が、出会った古老の語る言葉の底に潜むものを探り、生きることの意味を現代に問いかける。
目次
山の民俗を問う
山に生きて
山の近代化
山の時空―山の自然と山ノ神
生かされて生きる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまだてつひと
3
後半部分の都市の人による山に住む人達の感想文が特に印象に残った。山に住む人達を軽蔑することや同情するよくな哀れみを持った視線ではなく、共感出来る部分は共感するというスタイルだった。だが、その感想文を読んでた人が山に実際に住むかというと別問題であり、僕もまた都市の住む人と同じような視線で物事を見ていた。共感する姿勢は持つが、その暮らしぶりを見て血肉にする訳でもなく、「満足したなぁ」だけで終わる。何処かで都市の人とは違う感性を持っていたと自認していたが、それは結局ただの幻想だったと気付かされた。2024/05/22
メーテル/草津仁秋斗
0
レポート資料。山と人の関わり方、そしてそのこれからを見つめた本。人が山に向かって注いできた視線の変化に、ハッとさせられる。2015/04/22
蘇芳
0
当時、衝撃を受けて山にすもうと思いました。いやほんとですってば。2009/03/13
鈴木義孝
0
山に生かされ生きてきた人たち、その故郷を奪うことで維持される平地文明都市。 いずれ僕たちは故郷を失うのだろう。2019/09/06