出版社内容情報
戦国末期に、ザビエルの衣鉢をついで来日。織田信長の知遇を得て京都に南蛮寺を建て、豊後を拠点に大友氏と親交を深めるなど、畿内・九州各地でキリスト教を広める。長崎で没するまで、31年間の滞在で日本人の文化・習俗に精通。多くの報告書や『日本史』『日欧文化比較』を執筆し、当時の日本社会を知る上で貴重な記録を残した宣教師の生涯。
内容説明
戦国末期に、ザビエルの衣鉢をついで来日。織田信長の知遇を得て京都に南蛮寺を建て、豊後を拠点に大友氏と親交を深めるなど、畿内・九州各地でキリスト教を広める。長崎で没するまで、31年間の滞在で日本人の文化・習俗に精通。多くの報告書や『日本史』『日欧文化比較』を執筆し、当時の日本社会を知る上で貴重な記録を残した宣教師の生涯。
目次
第1 おいたち
第2 インド渡航・司祭への道
第3 日本における宣教開始
第4 京都・畿内宣教
第5 豊後赴任と宗麟の改宗
第6 準管区長秘書就任と年報執筆
第7 晩年
おわりに
著者等紹介
五野井隆史[ゴノイタカシ]
1941年北海道に生まれる。1971年上智大学大学院文学研究科博士課程単位修了。現在、東京大学名誉教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
16
織豊時代の日本に来た宣教師ルイス・フロイスの評伝。記録することへの強い執着や、日本の言葉や文化に対する理解を深めようとする態度など、宗教家というよりは歴史家の趣きが強い印象。年1本が規程の会報を2本も3本も書き上げるのには笑ってしまうが、この筆力が大著『日本史』に繋がり、引いては後世の我々の歴史理解の助けにもなっているのだからありがたいこと。また晩年にただの口述筆記係にされ、ライフワークの『日本史』も評価されずに添削を指示されるのは、さぞや辛かっただろうと推察する。2021/02/17
アメヲトコ
9
20年刊。大部の『日本史』の著者として知られるフロイスの評伝。病弱でしょっちゅう寝込みながらも日本について真摯に学び、多くの貴重な記録を残した彼の仕事は後世の我々にとって非常にありがたいことです。ヴァリニャーノにはあまり評価されていなかったらしく、もし彼がフロイスに命じたとおりに『日本史』が大幅に簡略化されていたらと思うと恐ろしい。2022/04/25
うしうし
8
キリシタン研究の大家である五野井隆史先生が上梓したルイス・フロイスの評伝。フロイスの生い立ちから日本での活躍が詳細に描かれている。今後の研究の基盤となる読み応えのある内容。・・・・には違いないのだが、先生の文章の癖か、あるいはもともと「甚だ冗漫(p218)」とヴァリニャーナから評されるフロイスの報告文をベースに記述が構成されている(意識的に翻訳調にされている?)せいか、代名詞(「彼」・「同地」など)の使用が多く、人物や地名を理解するのに辟易することが多い。主語が分かり難い文章もある。もっともこれは、2020/08/18
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