内容説明
阿仏尼―鎌倉時代の女流歌人。歌道の家である御子左家に嫁ぎ、古典を講じ、歌論書を執筆するなど、当時の女性としては類を見ないほど和歌の世界で活躍し、家業を支えた。夫の為家死後、遺産争いの訴訟で鎌倉に下向した時の様子を『十六夜日記』として残す。才気溢れる文学者であり、良妻賢母の手本とされたその人物像を、時代背景や女性観に即して描き出す。
目次
生い立ち
女房として
若き日の恋
為家との出会い
歌道家の女主人
為家の歌学との関わり
為家の遺言と死
鎌倉での生活
その後の歌道家周辺
中世から近世の阿仏尼像
『十六夜日記』の享受と変容
賢母像の拡大と揺動
著者等紹介
田渕句美子[タブチクミコ]
1957年生まれ。1991年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了。国文学研究資料館助教授、同教授などを経て、早稲田大学教育・総合科学学術院教授博士(人文科学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinaba
2
京極為兼関係の資料でよく触れらている人なので気になって。前半8割で淡々と基礎事項を並べてからの、最後2割で語る社会からの受容の変化の解説が面白かった2016/05/11
かば◎
1
扇ヶ谷の線路沿いの伝阿仏尼墓や、浄光明寺裏山の冷泉為相墓とされる宝篋印塔などは個人的に馴染み深いのだが、訴訟のために鎌倉にやって来て極楽寺のあたりに住んだらしいという以上のことはあまり知らないなあと思い、鎌倉図書館で借りて読む。十六夜日記はじめ阿仏尼の著作は読んだことがなく、いきなり評伝から読むのは我ながら裏口入学くさい気もする。内容は「これくらい読めて当たり前」「これくらい踏まえていて当たり前」の前提レベルが高く、古文の素養があまりない私にはちょっと苦労したが、それなりに人物の魅力は伝わった。2016/09/15
そーだ
1
借り物。2010/04/15
めがね
0
目次は吉川弘文館HPにあり。 →http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b37979.html2023/09/08