内容説明
駿河・遠江・三河の三ヵ国を治めた戦国大名。桶狭間の戦で信長に敗れ、あえない最期を遂げた暗愚の将として語られてきた義元だが、謎に包まれた家督争いに勝利して当主の座に就き、巧みな領国経営と法治主義をめざした武将であった。通説を見直しつつ、京都との交流で芽生えた今川文化にも迫るなど、知られざる実像を浮き彫りにした義元伝の決定版。
目次
第1 戦国大名への道
第2 義元の生い立ちと家督継承
第3 今川領国の維持と拡大
第4 領国支配と経営
第5 流通経済の発展と都市と交通
第6 今川文化と寺社興行
第7 隆盛から没落へ
著者等紹介
有光友學[アリミツユウガク]
1941年生まれ。1968年大阪大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、横浜国立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
22
今川氏の領国経営の先進性がよく伝わりました。本題ではありませんが、足利一族の各氏の関係性がわかったのが良かったです。2023/04/08
ペロ
6
このシリーズ初読みですが割と読みやすかったです。今川義元に関する予備知識が全くないので非常に新鮮でした。今川家は足利尊氏から枝分かれした由緒ある家であること,婚姻により京都の公家達と長く深い繋がりがあること,義元は元々僧籍にはいっており京都生活が長く教養があり頭脳明晰であること等初めて知りました。義元の公家風の恰好も彼にとっては別に奇抜なものではなかったのですね。とにかく甲相駿三国同盟や桶狭間の戦いを理解する上でも読んで損はない一冊だと思います。2017/07/17
MUNEKAZ
2
今川義元の評伝。家督を継ぐきっかけとなった花蔵の乱から領国の統治、公家との交流など義元について様々な角度から論じている。印象的なのはやはり太原雪斎の存在の大きさ。雪斎が三河で軍勢を率いて、義元が駿河で仏事を行うなんて「逆やんけ」と突っ込みたくもなるが、何となく納得も出来てしまう二人の関係は面白い。嫡子・氏真についても評価できる部分はきちんと評価していてよかった。2015/05/20
あさみ
0
ものすごく客観的に資料を使いながら今川さんについて書かれていました。読んだ、けど感想が出てくるほど内容を消化できてない。2014/07/08