内容説明
江戸時代初期、徳川秀忠の娘和子は、家康の対朝廷対策により、後水尾天皇の許に嫁ぎ、皇后となった。娘の興子が明正天皇として皇位を嗣いだため、若くして国母となる。朝廷・幕府間の軋轢に苦悩しつつも、双方への細やかな気配りから存在感を示した。将軍の娘、そして天皇の妻・母の立場から朝幕関係や後宮の実態を見る「東福門院」初の伝記。
目次
第1 誕生(和子誕生と徳川家;和子の姉たち;祖父徳川家康と朝廷)
第2 入内(およつ一件;和子入内;女一宮の誕生;中宮冊立;二条城行啓)
第3 中宮から女院へ(高仁親王の誕生とその死;後水尾天皇の譲位;女院御所;明正天皇の即位)
第4 女院時代(東福門院の娘たち;東福門院と後光明天皇;後光明天皇の死と皇位継承;東福門院と後水尾上皇;東福門院と大通文智;東福門院の趣味・趣向)
第5 東福門院の死(国母の死;十七世紀の後宮)
著者等紹介
久保貴子[クボタカコ]
1960年生まれ。1991年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。1997年博士(文学、早稲田大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
6
徳川将軍の娘として唯一天皇に嫁いだ東福門院和子(まさこ)の評伝。さまざまな軋轢があったなかで朝幕のつなぎ役としての役割を果たしていく姿が描かれます。後水尾天皇との間に生まれた二人の皇子、もしどちらかでも無事に成長していたらその後の歴史はどう変わっていただろうかと思います。2020/09/30
美音
0
徳川和子より、周辺の情報の方が多かった。2017/06/20
カレー
0
隆慶一郎氏の作品がきっかけで読んでみました。小説で知った和子の姿は少しも裏切られませんでした。次は「後水尾天皇」を読んでみたいですね。2013/07/23
はちがみっつ
0
幕府と皇室を繋ぐ第一歩となる東福門院について。息子を立て続けに亡くし、女一宮を女性天皇を立てた、位しか知識がなかったが、その後続く三人の天皇と養子縁組を繋ぎ、夫の別腹の子供や、幕府から摂家へ嫁いできた縁者の世話など、影響力は死ぬまで続いていた。 もっと取り上げられてもいい方だと思うが。2023/03/19