内容説明
水戸藩主徳川斉昭の腹心にして代表的水戸学者。藩政改革と国家の独立維持に尽瘁する東湖の言動は、生前から全国の有識者視聴の的であり、『弘道館記述義』『回天詩史』「正気歌」などの著作は、幕末期のみならず、近代の人心にまで多大な影響を及ぼす。幽囚8年、しかも安政の大地震で劇的な死をとげる熱血漢波瀾の生涯を生き生きと描く本格的伝記。
目次
第1 生い立ちと父の薫陶
第2 家督を継ぐ
第3 藩政改革への提言と実践
第4 藩主斉昭のブレーン
第5 側用人に栄進
第6 急転、幽囚の身となる
第7 出府、繁劇の晩年と終焉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ohe Hiroyuki
3
父の藤田幽谷の跡を継ぎ、水戸藩を支え続けた藤田東湖の足跡をまとめた一冊である。▼尊王攘夷という言葉のイメージが先行しているが、藤田東湖(そして徳川斉昭)の改革は、砂を噛むようなものである。検地をするにも、江戸勤めを変えるにも相当な年数がかかっている。▼藤田東湖の生涯を通して、19世紀の我が国に徐々に積もりつつある危機感が現実のものとなっていく様がうかがえる。▼藤田東湖の著作はいくつもあるが、その著作がどのような境遇の中で書かれたのかに思いを及ぼすことが重要である。▼日々生きる私達にも参考となる一冊である。2022/01/29
Go Extreme
1
生い立ちと父の薫陶: 父幽谷 成長のンあと 江戸遊学 家督を継ぐ: 彰考館総裁代役として 決死の南上 藩政改革への提言と実践: 改革政治指導ー党派抗争への道 郡奉行として 憤激の7か月 藩主斉昭のブレーン: 通事から御用調役へ 神道書の編纂と修陵運動 南北二策問題 側用人に栄進: 岩戸隠れの演出と改革政治の曲折 講道館記の起草 改革の進捗と東湖の尽力 辞職を請う 急転、幽囚の身となる: 蟄居の生活 憂憤のなかの著述 青藍舎の再開 出府、繁劇の晩年と終焉: 再び斉昭を支えて 激震、運命の10月2日2024/09/27
りんふぁ
0
水戸学の方。歳を増すにつれ、段々と討幕の思想が出てきてるように感じた。最後が地震という天災で亡くなっていて意外。2013/08/16
ひろき
0
読みづらい2021/08/09
バルジ
0
人物叢書の一冊なので極めてベーシックな評伝。 藤田東湖の生涯と行動を一通り知れる。 しかし自らの正義を信じて疑わず、主君斉昭をも悩ませる行動を度々取っているのには笑ってしまった。 晩年期の精力的な活動を見ていると、 安政江戸地震で亡くなったことがつくづく悔やまれる。2018/07/08
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