内容説明
林羅山は本名信勝、薙髪して道春と称した。江戸幕府文教の中枢ともいうべき林家の始祖として著名であり、日本史上稀有の博学者ながら、典型的な御用学者ともいわれる。「立身出世のために学者的良心を捨てて曲学阿世の道を選んだ」とされるその哀歓の生涯を、著者は豊富な史料によって詳説した。儒学の本質にも迫る好著。
目次
1 生家
2 修学
3 会見
4 仕官
5 曲学
6 雌伏
7 雄飛
8 修史
9 晩年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
7
1964年刊。465ページにわたる林羅山の本格的評伝です。儒者としての羅山の業績については、その歴史叙述の態度を高く評価するものの、全体としては封建的体制に阿諛した御用学者という評価で、著者の叙述はきわめて辛辣です。本来矛盾を抱えた人間こそ面白いはずで、この点はやや戦後の基準からの一面的な評価である気も……。数年前に出たミネルヴァの方の評伝も読んでみたいところ。2020/10/21
きさらぎ
1
網羅的なので羅山について勉強にはなる。ただ「はしがき」に「我々の課題は、儒学の進歩性(略)よりも、封建的教学として人民に対する搾取抑圧の支配体制を正当視し、日本人の実証的・科学的・国際的精神の発達を阻害した面を(略)究明することに重点を置くべきであろう」と掲げているだけあって、御用学問としての朱子学、御用学者としての羅山への批判意識が相当に強く、普通に羅山に感心を持っている身としては著者の主張部分をある程度意識してスルーできないと読んでてしんどくなる(苦笑)もうちょっと感情を抑えて欲しいな。2014/08/20
多読多量連投が日課だった
0
家康が豊臣家へ因縁付けた内容を作った人。 天皇家の歴史ゆがめたり悪質だなぁ。 博学なのにパッとしないと言うか知識の持ち腐れ。2017/07/14