内容説明
平氏から源氏へ、そして北条氏へとめまぐるしい転変を続ける平安~鎌倉初頭の動乱期に、四たび天台座主となって仏教界、思想界に君臨し、新古今歌壇の雄として六千首の歌什を残す。摂〓九条家の出で深く政治をも解し、名著『愚管抄』により史家としてまた不巧の名を伝える。本書は慈円研究の権威によるそのすぐれた伝記。
目次
第1 生涯と事蹟(出家と修業;世間的活動;座主就任;宮廷を中心として;隠棲と静観;活躍の時代;承久の変をめぐって;晩年と入寂)
第2 思想と信仰(真俗二蹄;歴史と政治;祈祷;信仰)
自草の記録文書
系図
略年譜
感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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「生涯無益」や遁世とは、己が煩悩をいとい、煩悩とその修羅場としての濁世(じょくせ)をいとうに出で、これを避けて自ら清うせんとするもの(28ページ)。木曾義仲は1183(寿永2)年11月、慈円に修行の許しを得たと(39ページ)。慈円は学問衰退を『愚管抄』(政治、政策、史論)で嘆いた(67、143ページ)。滅罪生善・遮悪持善・諸悪莫作(まくさ)・諸善奉行・捨邪帰正・利益衆生・抜苦与楽の道徳的努力(151ページ)。現代は愚かな官僚の注釈書(東大話法のイロハ)と言われないように。乱世に生きた慈円(157ページ)。2013/02/23
多読多量連投が日課だった
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歌で有名な坊さんその2。父親代わりの兄が帰依するというのがポイントか?2017/06/07