内容説明
“真珠王”御木本幸吉は、これまでいわれてきたような真円真珠の発明家ではなく、養殖真珠の逞ましい企業家であり、技術と漁場の独占に辣腕をふるい、巧みな演出と商魂によって全世界に“ミキモト・パール”の名を売り込んだ偉大な商人であった。本書は幾多の新資料を駆使して、伝説化された既往の“真珠王伝”を大きく書き改めた力篇。
目次
第1 幼少年時代
第2 青年時代
第3 海産物商人として出発
第4 真珠商人への道(真珠養殖家小川小太郎を知る;柳楢悦との出会い)
第5 真珠養殖業への出発(箕作佳吉博士らの指導を受ける;真珠養殖実験の成功)
第6 御木本真珠養殖場の創設と事業の確立(養殖事業の確立と東京に御木本真珠店;貴金属加工工場も経営)
第7 御木本の技術独占への抵抗と真円真珠への道
第8 真円真珠養殖法の発明と御木本(見瀬辰平の研究;西川藤吉の研究と見瀬辰平;桑原乙吉の研究)
第9 御木本の発展とそれへの抵抗
第10 真珠王の地位を確立
第11 戦時下の苦難期を乗りきる
第12 戦後の発展と真珠王の死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
埼京東湖
4
世界初の真珠の養殖に成功した「真珠王」・御木本幸吉の評伝。去年ミキモト真珠島に行ったが、幸吉の偉大さを伺えた。しかし、本書は伝説化された幸吉を否定する一冊となっている。ワンマン中のワンマンで、放言を連発する姿は、渋沢栄一や大原孫三郎のような哲人的な経営者ではなく、ジョブズやイーロン・マスクのような独善的なタイプの経営者なのだろうと感じた。その性格ゆえに騒動に巻き込まれたりした。ただ魅力的な人物なのは変わりなく、エジソンとの逸話もあり、こんなに皇室に気に入られた実業家もいないのではないだろうか。2024/09/18
多読多量連投が日課だった
0
真珠王になってやる!と本当になりましたが手口が良くない件。2017/08/03