内容説明
明治・大正期の文壇に君臨した大文豪・教育家の生涯を、逍遙自編の年譜をはじめ最も正確な資料をもとにして、編年的にまとめた精密な決定版。演劇の改良、小説の革新、シェークスピアの全訳、文芸協会の設立など、光彩を放つ文芸活動に合わせて、その家庭生活をも丹念に描く。逍遙研究のみならず、近代文学者の伝記の規範として絶讃の書。
目次
１ 幼年時代
２ 少年時代
３ 青年時代
４ 小説の革新
５ 教育と文芸への道
６ 教育の革新
７ 演劇の革新
８ 劇運動の実践
９ 著訳専念時代
１０ 国民教化への道
１１ 晩年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
18
早稲田精神—学問の独立・精神的教育・学問の活用・自主恃行・学術併行・進歩向上・愛国心（９２頁）で祝辞、人を感動させたという（９２頁）。とかく偏知的に流れ、徳目の羅列にとどまり勝ちの従来の倫理教育を打破し、具体的に講義し、学生が自発的に知解し得るようにするのが、逍遥の主眼（１１２頁）。利己的個人思想のニイチェ主義を排斥し、社会文化の健全なる護持を説いた逍遥の倫理的立場は適切な警世の言説とされた（１３１頁）。 2021/03/23
遠藤三春
2
ざっと読み。「当世書生気質」と「小説神髄」の近代文学の基礎をきづいたイメージが強かったのだけど、初期が小説、中期から後期にかけてがシェイクスピアの翻訳と演劇を中心にご活躍。こういう文学士はたまに政治家と付き合いがあるようで、その政治家の名前も何人か出てくるのですが、鳩山和夫とかでてくると、あー昔から政治家一族なんだなあと歴史を感じる。責任感が強くてすごーくまじめな坪内逍遥。安政から昭和まで生きた結構長生き。基本的な逍遥の生涯、人物像についてがまとめられている。2015/03/19
多読多量連投が日課だった
1
初期に小説書いて稀な小説家伝記かと思ったらシェークスピア翻訳しまくったり興行大成功の人だった。2017/07/17
