内容説明
財政改革・産業開発・倹約奨励・文教刷新等、藩政改革にすぐれた業績あげた米沢藩主上杉鷹山は、江戸時代における名君の一人としてその名を謳われる模範的封建領主である。本書は、戦後目ざましい発展をとげた藩政史研究の成果をふまえ、多年にわたる基礎史料の精査をもとに、この典型的名君の人と生涯に新たな照明をあてた斬新な伝記
目次
第1 生いたち
第2 襲封以前
第3 明和・安永の改革
第4 産業の開発と統制
第5 教学の振興
第6鷹山の隠退
第7 寛政の改革
第8 殖産興業
第9鷹山の思想と生活
第10 鷹山の死とその後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
達郎横尾
3
上杉鷹山の生涯を説明した評伝です。 簡潔に全体像を描いています。 鷹山についての本ではいいものと思います。2021/06/16
古谷任三郎
2
人物叢書の中でもベストセラーになっている上杉鷹山の評伝。名君の誉れ高い鷹山の藩政改革・産業政策・教育政策などが細かく書かれている。改革といっても、今のような民間丸投げや小さな政府思考とは真逆の統制経済・大きな政府思考であった事が分かる。また人間・鷹山にも着目しており、「鷹山は女性的ともいえる深い謙虚さと、するどい人間的な感受性の上に、また包容力を備えていた。一方その生活は儒教道徳のきびしい君主道の実践であった」(P.305)と評す。内村鑑三が「封建君主」と評したが、鷹山はまさに模範的な封建君主であった。2023/05/26
wuhujiang
1
名君として名前は知っていたが、では何をしていたか?は良く知らなかった。本書を通じて鷹山の一生、人格+米沢藩が窮地から脱出できたことまで知ることができた。藩の立て直しは一朝一夕に行かないんだなという印象。重用した重臣の失脚や天災、幕府の普請など、立てた計画にびしびし掣肘を加えてくる。そんな中でも改革が成功できたのは鷹山がブレずに倹約を貫いたからだと思える。人格については謙虚で下の者には寛容、養父や師には礼節を尽くす。まさしく理想の君主だった。2023/11/12
Keiko Shimada
1
歴史書の苦手な私ですが、歴史の本というよりは上に立つひとはどうあるべきかを教えてくれる内容で読みやすかった。2017/03/04