出版社内容情報
唐から継受して編纂された日本の律令。唐の律令格式の伝来時期や日本での編纂過程を、『令集解』や敦煌・トゥルファン文書の詳細な考証に基づき解明。さらに日唐間での書籍などの情報伝播の実態や、規範意識などに着目して日本社会と法との関わりを考察する。古代日本における法典編纂の展開と律令国家の成立過程を見通す、古代史研究に必備の書。
目次
第1部 唐法典舶載の研究(敦煌発見唐律断簡(P.3608、P.3252)と大宝律
『令集解』に引用された唐の令について―舶載唐開元令考
『令集解』に引用された唐の格・格後勅について
唐格に関する二、三の問題
日唐の格法典の編纂と体裁の特徴)
第2部 日唐間の情報伝播(大宝律令制定前後における日中間の情報伝播;書禁・禁書と法典の将来;入唐僧と刺史の印信―維〓書状の真意;海外情報の復原と評価―「頭陀親王入唐略記附載伊勢興房報告」を読む)
第3部 律令法と日本古代国家(律令制の形成;成文法と規範意識―古代の法と慣習;律令国家の法と社会;日本列島は「東アジア」なのか;古代国家をどうとらえるか)
著者等紹介
坂上康俊[サカウエヤストシ]
1955年宮崎県に生まれる。現在、九州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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