出版社内容情報
平城京最後の大寺院西大寺。古代の食堂院跡を発掘すると、巨大な井戸や整然と並ぶ大型の須恵器甕、膨大な製塩土器、魚や動物の骨、植物の種など、食に関する驚くべき遺構や遺物が見つかった。科学分析も取り入れ、古代史・考古学・栄養学の専門家らが徹底調査。魚肉は食べないとされていた寺院の食事の定説に再考を提起し、未解明の課題に挑む。
内容説明
平城京最後の大寺院西大寺。食堂院跡から見つかった巨大な井戸、大型の甕、製塩土器、魚や動物の骨、植物の種などを科学分析も取り入れ徹底調査。魚肉は食べないとされていた定説に再考を提起し、未解明の課題に挑む。
目次
西大寺の歴史と法燈(2つのエポック―奈良朝創建と鎌倉復興;創建の由来と伽藍―本願女帝の護国理念 ほか)
1 西大寺食堂院と出土遺物(平城京大寺院における僧侶の生活―西大寺食堂院と僧房をめぐって;西大寺食堂院跡の発掘と木簡 ほか)
2 出土遺物の科学分析(西大寺食堂院跡出土の動物遺体;西大寺食堂院跡出土の植物種実 ほか)
3 出土遺物をめぐる再現実験(西大寺食堂院跡出土の果実種実と古代食の再現;附章 古代モモの漬物再現再実験 ほか)
4 西大寺食堂院跡の出土遺物からわかる古代の食の再現―シンポジウム総合討論(西大寺食堂院の性格―調理をする場所なのか、食事をする場所なのか;食堂院に運び込まれた食材とその調理法 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫草
7
『古代の食を再現する』に続く、「食を再現する」第2弾。西大寺食堂院の発掘調査成果から、古代のお寺で何が食べられていたのかを考える。前回もそうでしたが、多くの先生方が、それぞれ全く違うご自分の専門から調査とか考察してるのが本当におもしろいです。よってたかって、四方八方から、攻めてる感じ。栄養学の先生が実際に色んなやり方でお米を蒸したり茹でたりして当時のやり方を探っていく実験は、今も毎日食べている「ご飯」という身近な食べ物なのですごくおもしろかった。第3弾となる研究も進んでいるようなので楽しみです。2023/10/31
Go Extreme
3
1260年近くの西大寺の歴史:奈良朝創建と鎌倉復興 廃案強時代に営まれた最後の官大寺、平安仏教の諸要素を先取り 西大寺食堂院木簡:僧侶の食生活・栄養素に配慮した精進料理の元祖 製塩土器資料:都市を維持するうえで必要不可欠な塩をめぐる経済活動 古代給食での須恵器織機の優越性 甕を据え付けた建物内部での貯蔵物の集中・集約的な管理 寺院でも魚を食べることがあった 粳米を蒸した飯:保存性がよく給与として支給されても日持ち 稲作栽培条件に適した稲作粒食文化と日本の環境風土→微生物の生育や保存 2023/05/08
takao
1
ふむ2024/07/28
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