出版社内容情報
唐令の影響を受けた古代の喪葬令。新史料「天聖令」による唐令復原の検討、奈良時代の天皇の葬送など多様な要素を論じ、特質を解明。
内容説明
唐令の影響を色濃く受けた日本古代の喪葬令。律令研究のなかでも立ち遅れてきたが、新たな分析手法で儀礼研究の可能性を提示する。モガリ、官人層の埋葬地の変化、奈良時代の天皇の葬送、服喪と喪服、忌日法会など多様な要素を論じ、中国礼制の受容や新史料「天聖令」による唐令復原の検討を通して、律令制の目指した喪葬儀礼の特質を明らかにする。
目次
殯儀礼の再検討
第1部 律令国家の形成と喪葬儀礼(日本古代喪葬儀礼の特質―喪葬令からみた天皇と氏;喪葬令と礼の受容;律令官人と葬地―都城か本拠地か;奈良時代の天皇喪葬儀礼―大唐元陵儀注の検討を通して)
第2部 天聖令の可能性(北宋天聖令による唐喪葬令復原研究の再検討―条文排列を中心に;慶元条法事類と天聖令―唐令復原の新たな可能性に向けて)
第3部 服喪と追善(日本古代の服喪と喪葬令;日本古代の服喪と追善;奈良時代の忌日法会―光明皇太后の葬束忌日御斎会司を中心に)
成果と課題
著者等紹介
稲田奈津子[イナダナツコ]
1975年生まれ。2004年東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻日本史学専修課程(博士課程)単位取得退学。2007年同学位取得。現在、東京大学史料編纂所助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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