出版社内容情報
対外関係の制限と国内の身分的・政治的事情に規定された「鎖国」日本において、人びとはいかなる意思を持ち、社会を動かしたのか。「四つの口」論の再検討、対馬藩の訳官使・差倭による対朝鮮外交、密貿易、諸藩における人事や窮民救済、芸能の興行などの政策決定過程、参勤交代の費用や教育、陪臣の実態など、多様な題材から社会の全体像を描く。
【目次】
 序―近世の人びとをどのように捉えるか―…近世史研究論集刊行準備委員会
  一 本書の概要
  二 本書成立の経緯
  三 本書の視点
  四 各章の紹介
  おわりに
第一部 海をまたぐ人びと
 第一章 橘智正の朝鮮職…徐韵文
  はじめに
  一 橘智正の受職
  二 「僉知」職から「同知」職へ
  三 橘智正の死没と朝鮮職
  むすびにかえて
 第二章「対馬口」の歴史的性格―寛永一四年「朝鮮釜山ヲサへ」の理解から―…池内敏
  はじめに
  一 「四つの口」と「対馬口」
  二 「朝鮮押え」の意味
  おわりに
 第三章 一七世紀における対馬藩の大陸情報収集活動と訳官使…程永超
  はじめに
  一 一七世紀の訳官使を通じた対馬藩の大陸情報収集活動の全体像
  二 対馬藩の大陸情報収集活動と明清交替期前後の訳官使
  三 対馬藩の大陸情報収集活動と三藩の乱時期の訳官使
  おわりに
 第四章 近世対馬藩の外交戦略―非定例差倭の派遣とその目的―…李炯周
  はじめに
  一 非定例差倭の事例(一)―告事使―
  二 非定例差倭の事例(二)―報情使―
  おわりに―非定例差倭の外交戦略を考える―
 第五章 密貿易からみる近世日朝関係…酒井雅代
  はじめに
  一 一七世紀後半~一八世紀前半の日朝間の密貿易
  二 一八~一九世紀の日朝間の密貿易事件とその変化
  おわりに
第二部 列島上の人びと
 第一章 刈谷藩元文三年一揆の前後…池内敏
  はじめに
  一 刈谷藩元文三年一揆
  二 酒井・匂坂の追放と筑摩・麻葉の復職
  三 佐藤三太夫と森十太兵衛の処分をめぐる紛議
  四 磯山勘解由の処分
  おわりに
 第二章 会津若松における祭礼・芸能政策の転換…塩川隆文
  はじめに
  一 祭礼と芸能興行の再興
  二 祭礼と芸能興行の中止
  おわりに
 第三章 天保-嘉永期の尾張藩小納戸役所と窮民救済…鈴木雅
  はじめに
  一 天保飢饉における窮民救済
  二 「御救御年貢金」の創設
  三 天保一二年の水害における窮民救済
  四 嘉永三年の水害における窮民救済
  おわりに
 第四章 参勤交代と川割役人―参勤交代の旅行を支えた人びと―…宮川充史 
  はじめに
  一 川割役人を務める藩士
  二 川割役人の任務
  三 川割役人への贈物
  おわりに
 第五章 藩校における歴史の教授―『日本教育史資料』の分析を通じて―…平野仁也
  はじめに
  一 文部省による調査
  二 歴史の教授と書物
  三 学びの階梯
  おわりに
 第


 
              


