出版社内容情報
明治10~20年代、府県は郡・市町村に先立ち、国家と地域社会を結ぶ中間領域として地方行政と自治を安定的に担う存在となった。均質的な制度運用を可能にした仕組み、府県公権の成立過程およびその正統性を分析。明治維新のスローガンである公論が地方制度の運用においてどのように変容したのかを描き出し、府県独自の歴史的役割を明示する。
【目次】
序章 府県から見る日本近代国家の形成
一 先行研究
二 本書の課題と方法
三 本書の内容と構成
第一部 領域と制度
第一章 府県領域の形成と旧国
はじめに
一 三新法成立までの府県と旧国
二 地方行政の領域としての府県と旧国
三 地方自治の領域としての府県と旧国
おわりに
第二章 三新法期の府県制度改正
はじめに
一 明治一五年末までの制度改正
二 明治一五年末の府県制度改正
三 その後の制度改正と運用
おわりに
第三章 近代国家形成期の地方官「集会」
はじめに
一 地方官「集会」の創出
二 地方官「集会」の変容
三 地方官「集会」と有力地方官
四 地方長官会議へ
おわりに
第四章 府県「連合」の試み
はじめに
一 府県「連合」の起源
二 府県「連合」の本格的な展開
おわりに
第二部 公権と公論
第一章 府県庁舎営繕費の地方税負担移行―府県公共事務の形成(一)
はじめに
一 第四八号布告以前の庁舎営繕
二 移行期における府県庁舎営繕
三 地方税移行後の庁舎営繕と府県住民
おわりに
第二章 「寄付」の制度化―府県公共事務の形成(二)
はじめに
一 「寄付議定権」の否認
二 「寄付」の実態―明治一六~二〇年度
三 「寄付議定権」の承認とその後
おわりに
第三章 近代国家形成期の府県庁「会議」
はじめに
一 府県庁「会議」の創出
二 府県庁「会議」の実態―岩手県庁中会議を事例に
三 府県庁「会議」の行方
おわりに
第四章 三新法期の府県会と常置委員
はじめに
一 常置委員制度の誕生
二 府県制度改正と常置委員職権の変化
三 「学識経験」の形成
四 「公平無私」の揺らぎ
おわりに
終章 府県から出発した近代日本
一 三つの課題に対する回答
二 含意と展望
あとがき



