出版社内容情報
京都へ豊富な水を運び、近代産業の振興を支えた琵琶湖疏水は、無隣庵をはじめ池泉を備えた別荘庭園を数多く生み出した。歴史地理学の視点から当時の景観を復原し、立地や成立過程、政治家・政商の動向や関係性をひもとく。またこの庭園を核とした人脈が、東亜同文会や清朝皇帝溥儀の復位活動とも交差しつつ、近代の日中関係に与えた影響をさぐる。
【目次】
序章 水と権力の景観
一 本書の視座
二 近世の公家別荘と近代の政治家別邸
三 灌漑用水としての琵琶湖疏水
四 「密談の場」としての京都別邸
五 本書の構成
第一部 京都近代化への水脈と人脈
第一章 高瀬川上流域の近世庭園と槇村正直・北垣国道の京都復興策
はじめに
一 高瀬川の取水地点と近世の屋敷群
二 槇村正直による京都復興策と高瀬川の利用
三 高瀬川と琵琶湖疏水―北垣国道と第二期京都策の時代
おわりに
第二章 琵琶湖疏水利用庭園の成立と中井弘による京都別邸群の誘致
はじめに
一 中井弘の「山色水声処」と小川治兵衛
二 工部省の官有事業払下げと中井弘による京都別邸群の誘致
おわりに
第三章 無隣庵に先行する琵琶湖疏水の庭と山県閥による別邸群形成
はじめに
一 無隣庵に先行する疏水利用庭園
二 山県系官僚による別邸群の形成
三 旧白川・草川水系邸宅群の成立とその意義
おわりに
第二部 近代の日中関係と京都
第一章 近衛篤麿の京都別邸設置と東亜同文会の展開
はじめに
一 近衛篤麿の京都別邸設置の経緯
二 荒尾精の若王子謫居と近衛篤麿の聖護院別邸
三 近衛篤麿の政治活動と聖護院別邸の役割
おわりに
第二章 羅振玉の京都寓居と宣統帝復辟への道程
はじめに
一 羅振玉の寓居と中国書画愛好者の東山別邸群
二 日本滞在中の羅振玉の政治的活動と升允
三 満洲国の成立と羅振玉の役割
おわりに
第三章 鄭孝胥・溥儀の来日と清浦奎吾―琵琶湖疏水の庭と熊本人脈―
はじめに
一 鄭孝胥の来日と清浦奎吾との関係
二 大正期における鄭孝胥と清浦奎吾の関係
三 熊本人脈による疏水利用庭園群の形成
おわりに
第四章 細川家別邸・怡園の来歴と近衛文麿
はじめに
一 怡園の成立と昭和大礼
二 怡園の設置に携わった人々
三 細川護貞の怡園利用と近衛文麿
おわりに
終章 京都の政治家別邸と疏水庭園群の意義
一 近代京都の水脈と人脈
二 貴族院・政党勢力と京都別邸群
あとがき
索引
内容説明
京都の近代化を支えた水脈、琵琶湖疏水。政治家や政商が水路沿いに構えた別荘群と池泉の景観を復原し、その成立過程や関係性を読み解く。庭園を核とした人脈が、派閥形成や満洲建国、日中関係に与えた影響をさぐる。
目次
序章 水と権力の景観
第一部 京都近代化への水脈と人脈(高瀬川上流域の近世庭園と槇村正直・北垣国道の京都復興策;琵琶湖疏水利用庭園の成立と中井弘による京都別邸群の誘致;無隣庵に先行する琵琶湖疏水の庭と山県閥による別邸群形成)
第二部 近代の日中関係と京都(近衛篤麿の京都別邸設置と東亜同文会の展開;羅振玉の京都萬居と宣統帝復辟への道程;鄭孝胥・溥儀の来日と清浦奎吾―琵琶湖疏水の庭と熊本人脈―;細川家別邸・怡園の来歴と近衛文麿)
終章 京都の政治家別邸と疏水庭園群の意義
著者等紹介
佐野静代[サノシズヨ]
1968年、京都市に生まれる。現在、同志社大学文学部教授、博士(文学・京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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