内容説明
一九二〇年代後半から一九四五年まで、華北の中心都市天津、そして日中戦争が生み出した蒙疆政権下で中国に居留した日本人に注目。彼らの活動の実態を、阿片・麻薬問題との関係も踏まえ追究する。日本居留民の一部が、日本軍に反発した新事実を発掘するなど、これまで政治史もしくは軍事史が中心だった近代日中関係史に、新たな歴史像を打ちたてる。
目次
第1章 天津のなかの日本社会
第2章 1920年代天津における日本居留民
第3章 満州事変期天津における対日ボイコット運動と日本居留民
第4章 天津事件再考―天津総領事館・支那駐屯軍・日本居留民
補論1 華北分離工作期北京(通州)の日本居留民
第5章 「蒙疆」と日本居留民
第6章 戦前期天津の日本民留民と阿片・麻薬問題
第7章 阿片をめぐる日本と汪兆銘政権の「相剋」
補論2 里見甫と宏済善堂
著者等紹介
小林元裕[コバヤシモトヒロ]
1963年東京に生まれる。1986年横浜市立大学文理学部卒業。1990~92年中国南開大学留学。1996年立教大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期課程退学。1998~2001年在瀋陽日本国総領事館専門調査員。現在、新潟国際情報大学情報文化学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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