出版社内容情報
当主・妻子が生活する空間?奥向?。一夫一妻の原則、大名家と将軍家の交流などから、職制や特質を解明し、その全体構造を描く。近世政治権力の解明には従来の公儀研究(表向=男の世界)に加え、?奥向?という日常の政務を行ない、当主と妻子が生活した空間の果たした役割を追究する必要がある。表方・奥方に分かれていた奥向の構造を各職制やその特質、一夫一妻の原則、庶出子の処遇といった妻妾制の展開、井伊・真田ら大名家と将軍家の交流などから鮮やかに描き出す。
序章 奥向研究の現状と課題/近世妻妾制の展開(一夫一妻の原則と世襲制〈婚姻許可制と一夫一妻の原則/一夫多妻の実情/一夫一妻の原則と世襲制の矛盾/荻生徂徠の妻妾論〉以下細目略/近世前期における妻妾の関係と「公界」/近世前期における庶出子の処遇/妾の「身上がり」の条件―信濃松代真田家九代幸教生母の心戒の事例/妾のライフサイクルの類型―筑前福岡黒田家の事例)/奥向構造の基礎的考察(奥向における大名家と将軍家の交流/大名家の相互の交流―寛政期の信濃松代真田家を中心に/近世中期における奥向構造―近江彦根井伊家の事例/奥向女中の参勤交代/近世後期における奥向構造―奥向女中の職制と役務/「中奥」再考/奥向と表向―人柄の支配と空間の支配)/終章 奥向の解体と奥向研究の展望
福田 千鶴[フクダ チヅル]
著・文・その他
内容説明
近世政治権力の解明には、従来の公儀研究(表向=男の世界)に加え、“奥向”という日常の政務を行ない、当主と妻子が生活した空間の果たした役割を追究する必要がある。表方・奥方に分かれていた奥向の構造を、各職制やその特質、一夫一妻の原則、庶出子の処遇といった妻妾制の展開、井伊・真田ら大名家と将軍家の交流などから鮮やかに描き出す。
目次
奥向研究の現状と課題
第1部 近世妻妾制の展開(一夫一妻の原則と世襲制;近世前期における妻妾の関係と「公界」;近世前期における庶出子の処遇;妾の「身上がり」の条件―信濃松代真田家九代幸教生母の心戒の事例;妾のライフサイクルの類型―筑前福岡黒田家の事例)
第2部 奥向構造の基礎的考察(奥向における大名家と将軍家の交流;大名家の相互の交流―寛政期の信濃松代真田家を中心に;近世中期における奥向構造―近江彦根井伊家の事例;奥向女中の参勤交代;近世後期における奥向構造―奥向女中の職制と役務 ほか)
奥向の解体と奥向研究の展望
著者等紹介
福田千鶴[フクダチズル]
1961年福岡県に生まれる。1993年九州大学大学院文学研究科博士課程中退。国文学研究資料館・史料館助手・東京都立大学助教授・九州産業大学教授を経て、九州大学基幹教育院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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