内容説明
近世の職人や「労働者」のあり方の究明は、賃労働形成史のうえからも積極的な意味を持つ。身分的周縁という方法的視座から、大坂や京都、萩・尾道・対馬・盛岡などに見える日用・仲仕や種々の技能労働を分析。とくにその共同性に注目しながら各地における個性的な姿を描き出し、地域の構成要素としての労働社会の実像を浮き彫りにする注目の書。
目次
近世労働史研究の分析視角
1 縁のネットワーク(萩藩の武家奉公人と「日用」層;対馬の抱下し者と乞食=勧進層;大坂町触にみる抱下し者;塚田孝『近世大坂の非人と身分的周縁』を読んで)
2 仲仕仲間(萩藩蔵屋敷と大坂市中;蔵仲仕と米出し仲仕;大坂の浜兵士と仲間;尾道の中背と仲間)
3 技能労働の結合(周防徳山藩領における綿打の結合;徳山藩領在町の社会構造;京都の左官仲間と手伝;盛岡藩石垣師の江戸稽古)
地域のなかの労働社会
著者等紹介
森下徹[モリシタトオル]
1963年大阪府に生まれる。1993年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、山口大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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