出版社内容情報
従来の近世宗教史研究は個別宗教のみに偏りがちであったが、実際の村落には寺院と神社が混在していた。本書では、身分集団論の方法を導入することで、地域社会に生きた宗教という視角から、仏教・神道・民間宗教のそれぞれの関係を具体的に追究。宗教的要素で結ばれる諸関係が社会にどのような影響を与えたのか検討し、近世宗教の存立意義を探る。〈主な目次〉序・近世宗教史研究の現状と課題/Ⅰ=神職組織と地域社会(近世後期の神道と仏教―神葬祭運動の歴史的意義―/近世中後期の神社と神宮寺―越前の非真宗的要素と社会―)/Ⅱ=民間宗教組織と地域社会(西国三十三度巡礼行者の活動と組織―勧進と地域社会―/西国三十三度巡礼行者の拠点寺院と村・地域―河内国富田林村浄谷寺の事例から―/近世の宗教統制と民間宗教組織―法制度と社会的実態の狭間―)/Ⅲ=教団仏教と地域社会(「真宗地帯」越前の地域的特質―近世越前真宗社会史研究序説―/真宗寺院・道場と越前吉崎―歴史的変容と宗教的社会関係―)/結語―残された課題とともに―/あとがき/索引
内容説明
地域社会に生きた宗教という視角から、僧侶・寺院という仏教的要素を中心に、神道・民間宗教との関係を追究する。宗教的な要素によって結ばれる諸関係が社会に与えた影響を検討し、近世における宗教の存立意義を探る。
目次
近世宗教史研究の現状と課題
第1部 神職組織と地域社会(近世後期の神道と仏教―神葬祭運動の歴史的意義;近世中後期の神社と神宮寺―越前の非真宗的要素と社会)
第2部 民間宗教組織と地域社会(西国三十三度巡礼行者の活動と組織―勧進と地域社会;西国三十三度巡礼行者の拠点寺院と村・地域―河内国富田林村浄谷寺の事例から;近世の宗教統制と民間宗教組織―法制度と社会的実態の狭間)
第3部 教団仏教と地域社会(「真宗地帯」越前の地域的特質―近世越前真宗社会史研究序説;真宗寺院・道場と越前吉崎―歴史的変容と宗教的社会関係)
結語―残された課題とともに