出版社内容情報
中世前期の貨幣経済の実態を、貨幣政策、為替・信用、商業流通から検討。渡来銭の朝廷財政への影響をはじめ、支払いや資本蓄積での渡来銭の利用開始、割符による遠隔地取引のしくみ、京と各地の荘園をめぐる物資の流れを精査し、貨幣経済・商品経済の発展を見通す。流通と飢饉との関係にもふれ、渡来銭の受容が社会に与えた影響を総体的に捉える。
内容説明
中世前期の貨幣経済の実態を、貨幣政策、為替・信用、商業流通から検討。渡来銭の朝廷財政への影響をはじめ、支払いや資本蓄積での渡来銭の利用開始、割符による遠隔地取引のしくみ、京と各地の荘園をめぐる物資の流れを精査し、貨幣経済・商品経済の発展を見通す。流通と飢饉との関係にもふれ、渡来銭の受容が社会に与えた影響を総体的に捉える。
目次
中世前期の貨幣経済史・信用制度史研究の成果と課題
第1部 渡来銭受容と朝廷の貨幣政策(渡来銭受容期の貨幣政策研究と問題の所在;沽価法と貨幣政策;大規模造営と貨幣政策;価法の性質と運用―中島圭一氏の批判に答える)
第2部 中世手形文書の決済システム(東大寺封戸物輸納と寺使;割符のしくみと為替・流通・金融;中世手形の系譜関係;中世手形の信用とその決済システム)
第3部 渡来銭受容と流通構造(一三・一四世紀の流通構造と商業;流通構造の変化と中世社会―「大飢饉」のない一四世紀)
渡来銭受容と日本社会―信用と流通
著者等紹介
伊藤啓介[イトウケイスケ]
1970年生まれ。2006年京都大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化学(日本史)研究指導認定退学。現在、黒川古文化研究所研究員、京都大学人文学連携研究者、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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