内容説明
呪術を常識とした平安後期から鎌倉前期、他力信心の重要性を説いた親鸞の信仰は、貴賎を問わず人々の生活と結びついた呪術といかなる関係だったのか。親鸞自身の病気治療や来迎観などを考察し、師法然やその門弟、親鸞の家族、子孫らの治病の様相や臨終行儀への姿勢から、信仰の実態に迫る。彼らの教えを「異端」とする従来の研究に一石を投じる。
目次
第1章 病気治療と臨終行儀(護摩修法による病気治療;病気治療における憑座と憑依;臨終行儀の成立とその影響)
第2章 法然と門弟の病気治療とその臨終(法然による病気治療とその臨終;津戸三郎為守の信仰と自害往生;證空の病気治療と臨終への姿勢)
第3章 親鸞の他力信仰と呪術(親鸞の教えと門弟からの異義;親鸞の病気治療と経典読誦;親鸞の来迎観と臨終のあり方)
第4章 親鸞の妻、子どもの信仰(恵信尼の極楽往生への不安;東国における善鸞の信仰と布教活動;覚信尼における親鸞の信仰の受容)
第5章 親鸞の子孫の信仰(覚如と自力信仰;存覚と自力信仰;晩年の存覚と『看病用心抄』の書写)
著者等紹介
小山聡子[コヤマサトコ]
1967年茨城県に生まれる。1998年筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒業。2003年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了、博士(学術)。現在、二松学舎大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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