内容説明
「百姓の持ちたる国」をめざして戦国時代に光芒を放った一向一揆。しかしその実体は未解明な部分が多い。本書は結集の紐帯となった一向宗信仰の実態、本願寺教団や宗主との関係、幕府・将軍や織田信長との対決など、多面的な視点からその実像を総体的に解明する。また近世以降も教団が発展を続けた理由を探り、一向一揆に新たな位置付けを与える。
目次
第1部 一向宗の実像を探る(加賀一向一揆と一向宗;戦国期一向宗の実像;原始一向宗の実像;一向宗とキリシタン)
第2部 本願寺と一向一揆(戦国期本願寺教団の構造;御印書に関する一考察―文書からみた教団;加賀一向一揆の展開過程)
第3部 幕府・大名と一向一揆(室町幕府と本願寺;本願寺の行動原理と一向一揆;近世在村武士の実態―中近世移行期への一視点)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
12
日本でいちばん宗教革命に近いものとして一向一揆が考えられる。鎌倉仏教にヴェーバーが新教に見いだしたような生活の合理化を契機を見出すような説もあるから余計に興味深いのだが、やはり歴史はそう単純なものではないらしくて、真宗が民衆に広まったのは、かえって加持祈祷という呪術の需要に応える山伏などの遊行の徒が大きな役割を果たしたらしい。一向宗の門徒の多くは本願寺の僧たちの教義というよりは親鸞の子孫という宗主のカリスマ性に期待するところが大きかった。本願寺は本願寺で封建社会の枠内において教団を維持する方針だった模様。2024/04/10
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