内容説明
叡尊・忍性・覚盛らの顕密仏教改革派の律僧が、鎌倉時代後期に行なった社会的活動については、近年、さまざまな形で注目を浴びている。本書では、この律宗の社会的活動を、葬送活動を底辺で支えた斎戒衆、女性の社会的地位の低下の中で尼寺での単身者としての生活に活路を見出した尼、律僧でありながら融通念仏を広め、壬生狂言の開始者とされた導御などを例に具体的に探る。
目次
第1 唐招提寺の律僧と斎戒衆―勧進・葬祭組織の成立
第2 大和竹林寺・般若寺・喜光寺の復興
第3 河内の西大寺末寺と惣墓―西大寺・教興寺・寛弘寺
第4 鎌倉時代の尼と尼寺―中宮寺・法華寺・道明寺
第5 法金剛院導御の宗教活動