内容説明
女性差別はいかに認識され、現状の変革をめざす解放思想はどのように形成されてきたのだろうか。本書では、各時代の女性に対する認識の差異をくっきりと映し出す理想的女性観、時代がめざす女性を創り出す教育、女性解放思想をめぐる諸論文を取り扱った。今も進行中である、平等と自立を求める女性たちの、旧くて新しい思想的課題を追求する。
目次
1 求められる女性像(節婦孝子の表彰と庶民の女性像―古代を中心に;神道の女性観―女人往生思想との比較において;力女の説話 ほか)
2 教育と女性(平安時代女性の真名漢籍の学習―一一世紀頃を中心に;寺子屋と女師匠―江戸から明治へ;高等女学校令成立の思想的基盤―女子教育論分析を中心として)
3 女性解放思想の形成(幕藩制解体期における一女性の社会批判―只野真葛の『独考』を中心に;明治期における西欧女性解放論の受容過程―ジョン・スチュアート・ミル The Subjection of Women(女性の隷従)を中心に
「母性保護論争」の歴史的意義―「論争」から「運動」へのつながり ほか)
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