内容説明
正倉院文書は、古代史にとってかけがえのない史料群で、まさに古代文書の宝庫である。この文書の伝来と整理の研究から、近代の古代史学と古文書学が始まったといっても過言ではない。本巻は、これらに関する基本的な名篇と、文書の応用面から正税帳や計会帳、絵図を取り扱った論文を収録。
目次
第1章 正倉院文書の伝来と整理(正倉院文書について;正倉院文書の整理とその写本―穂井田忠友と正集)
第2章 正税帳・計会帳をめぐって(天平6年出雲国計会帳の研究;大倭国正税帳について―特にその記載をめぐって;但波吉備麻呂の計帳手実をめぐって)
第3章 写経所をめぐって(奈良朝写経の製作手順;奉写一切経所の写経事業―奈良時代末期の一切経書写;光明皇后願経5月1日経の書写について)
第4章 正倉院文書の諸問題(千部法華経科紙筆墨充帳の形態―正倉院文書に於ける紙背利用の一例;越中国東大寺領庄園絵図について)