有斐閣選書
排除と差別の社会学 (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 330p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784641281400
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C1336

内容説明

原発事故やヘイトスピーチ、いじめ、マタニティ・ハラスメントなど、日常生活で生じているさまざまな排除や差別を社会学の視点で読み解く。「差別をしてしまうかもしれない存在」としてみずからをとらえた時、世の中はどんなふうに見えてくるだろう。

目次

第1部 排除や差別という現象から世の中を考える(排除と差別の社会学を考える2つの基本;部落差別の今は…?―「部落」・「部落民」の表象のゆくえ;「当事者」は差別や排除を語るのか?―“ジモト”の在日コリアンとともに感じたこと)
第2部 個別の問題を手がかりとして(「身体」をあたりまえに生きるために―「マタニティ・ハラスメント」という問題;「ひきこもり」からの問題提起;学校空間における排除と差別;解放の政治から生成の政治へ―「ゲイ」というカテゴリーの意味転回;女性カップルの子育て願望への反発に見る排除のかたち―「子どもがかわいそう」をめぐるポリティクス;モザイクとしての「障害者問題」;「ユニークフェイス」から「見た目問題」へ;「民族」との向き合い方―在日コリアンの歴史と日本社会の対応;「復興災害」の空間と多文化的現実―21年目の被災地を歩きなおす/見つめなおす;原爆問題について自由に思考をめくらすことの困難;原発事故による避難について考えるために―生活の再建をめぐるジレンマ)

著者等紹介

好井裕明[ヨシイヒロアキ]
日本大学文理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GASHOW

7
差別が発生する社会問題をいくつかの分野の識者の方が書かれている。各章ごとにまとめがあるのでテキストのようだ。差別問題は被害者であるか身の回りに関係者がいないとわからない。他人の痛みを知ることはむずかしい問題だ。差別がある事実について問題を提起していることに価値があるのだと思うが、解決のための何かを知りたい。社会階層が文化の国もあるし、近年まで差別問題があった国もあった。解決させることは相当難しそうだ。2016/11/01

田中峰和

3
人は何かに帰属して生きる弱い存在。だから排除や差別を受けると生きにくい。我々を排除し、差別する現象にはどんなものがあるのか。この本では15人の社会学者が自らの研究テーマを語る。まずは人権に繋がる部落差別と在日コリアンの問題。改良住宅の入居率も下がる一方、京都では芸術大学を誘致するなどの事業も進む。いつかは被差別地域も解体するのか。より深刻な問題は学校空間の排除と差別。不良行為ではなく遅刻と出席不足による中退と非正規労働を周期的に繰り返す20代前の事例があった。いずれ無年金者となる本人は自らを排除している。2016/11/29

U-Tchallenge

1
差別と排除は身近で起こっている。起こっているのだが意識しないと見えない。いや見ようとしないと言った方が正しいかもしれない。そんな差別と排除についてさまざまな視点から考えることのできる内容であった。一つひとつの章がまとまっており、また参考文献も示されており学びを深めるには適した一冊であった。2024/07/03

令和の殉教者

1
冒頭論文、ひきこもり、ゲイ、子育てレズビアンの4つのみ読んだ。ゲイについての論文がいちばん面白かった。「ゲイ」というカテゴリーは、人間を差別-反差別や多様なセクシュアリティの文脈に回収し尽くしてしまいがちだけれど、性の解放がある程度進んできている現在、当事者などそれぞれの人間の生き方に「ゲイ」カテゴリーがどのように関わるのかに注視して、それぞれの生き方の創造性を引き出す段階に踏み出しても良いのではないかという。現状、解放がどれほど進んでいるのかについては意見が分かれるだろうが、他の分野にも広げられそう。2020/01/04

吉田 直道

1
差別について、わたしたちは対岸の火事としがちだが、差別は誰もがしてしまう可能性があると意識することが大切だと意識させられる。そのうえで何故自分は差別をしてしまうのかと自問していく必要がある。2018/05/28

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